不祥事追及よりもソリューションを競い合う国会論戦を~毎月勤労統計の真の問題とは~松田学 通信 vol.50 2019.2.04
2019/02/04 (Mon) 08:30
◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
松田学通信 vol.50 2019.2.04
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆
メールニュースに登録いただいた方、名刺交換をさせていただいた方に一斉で
配信しております。今後配信が不要な場合は返信にてその旨お知らせください。
メールアドレス変更についても返信にて承ります。
※SSL暗号化通信標準装備(Verisign証明書取得)
_/_/ INDEX _/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
1. コラム
不祥事追及よりもソリューションを競い合う国会論戦を
~毎月勤労統計の真の問題とは~
2. 活動報告/セミナー情報
〇出演番組・イベント・寄稿等
(1)松田学新著1/25発売!
(2)【2019年2月11日(月)】丹羽経済塾 2月開催 公開収録
《公開収録》『疑問に答える!消費増税と積極財政~ソリューションとしての
「松田プラン」と暗号通貨をめぐって~』※会場との質疑応答あり
(3)松田学登壇 第3873回金融ファクシミリ新聞社セミナー
『サイバーセキュリティの課題と仮想通貨の本質
~ブロックチェーン革命とトークンエコノミーによる未来社会~』
(4)講演・セミナー講師依頼はこちら
〇各情報発信・ツール紹介
(1)松田政策研究所動画コンテンツ 新着/アーカイブ紹介
◆『松田政策研究所動画コンセプト紹介』
◆号外【ニュースを切る!】~消費増税反対の方々に敢えて問う!
2019年度予算案を解説、テーマは消費税増税への具体的対策~
(2)各種 SNS紹介
3. 松田学 政策発信
*<2018年12月23日UP>*過去のアーカイブより紹介しています
「中国経済は本当に崩壊するのか?」討論番組にパネラー出演しました。
4. 編集後記
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
1. 松田学 コラム
不祥事追及よりもソリューションを競い合う国会論戦を
~毎月勤労統計の真の問題とは~
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
国会論戦がいよいよ本格化しますが、今年は元号が変わり、「選挙の年」と言
われる年の通常国会です。不祥事をめぐる不毛なやり取りから卒業して、新し
い時代に向けた国の基本路線について有権者が真の選択をできるような骨太の
政策論争を期待したいものです。
しかし、今次の国会の焦点はまたしても不祥事…、厚労省の統計不正問題が脚
光を浴びそうです。こうした問題でトップの責任が追及されるたびに感じるこ
とですが、組織の最終責任はその時の大臣が負うものとはいえ、問題は10年
以上前から発生していたもの。今の大臣の責任は問題が発覚したときに大臣を
していることにあるというのもおかしな話です。責任をとるなら、この間、民
主党政権も含め、厚労大臣をした政治家全員ということになります。ただ、統
計分析の専門家の能力を期待されているわけではない厚労大臣の役割が、統計
の不正を見破ることにまで及ぶと考えるのも現実的ではないでしょう。
そもそもこの問題で野党が政権与党の責任を追及することにどこまで意味があ
るのか。あの「もりかけ」も、これだけ長らく国会論戦の中心でありながら、
具体的な総理大臣の不正は何ら出てきていません。議論するなら、まずは何が
真の問題なのかを明確にしてからでなければ、また、選挙向け党利党略による
印象操作に終わってしまうと思います。
今般の統計不正については、あたかも全数調査が正しく、サンプル調査が不正
であるが如き印象が蔓延していますが、母集団の数が大きい場合、適切なサン
プリングを行えば、高い精度で母集団の特性が明確になります。それは選挙の
出口調査の精度の高さからも明らかです。調査先の企業が正確に回答に記載し
ていない可能性も考えれば、全数調査にはあまり意味がなく、極論すれば予算
の無駄遣い、そこで、母集団が十分大きい東京都ではサンプル調査とし、それ
以外で全数調査をしたのは合理的だというのがプロの見方です。
では何が問題なのかといえば、ルールを直さずに、役所が勝手に運用を変えた
ことです。そして、既存のルールの建前があるため、サンプル調査に必要な補
正作業を行わなかったことです。ルールの変更はオープンの場で議論されるこ
とになりますが、日本の官僚機構ではルールを変えることへの抵抗が大きく、
できれば運用で済ませようとする傾向が強いのが実態です。解釈改憲などもそ
の典型例かもしれません。これでは仮に結論が正しくても、密室の作業になっ
てしまいますが、こうした体質の背景として、何事も建設的な審議をせずに一
方的な批難と水掛け論に終始する国会に対する官僚サイドからの日頃の不信感
が指摘できます。そこで、国会スケジュールの関係からも政府提案を絞り込ん
でしまう。
ルールよりも運用の改善で対処しようとする日本政府の全体的な体質は、与野
党を超えた国会と官僚との間に横たわる構造問題です。国会論戦では表面の現
象よりも、問題の根っ子に焦点を当て、その是正のための抜本策を政策論とし
て論じ合うべきでしょう。前回の本欄でも述べたように、統計を国家の基本と
考えつつ政府がきちんと機能するよう人員を増やす、そのためなら「大きな政
府」も是とするのか、それを否とするなら統計は民間に委託するのか、あるい
は、官僚がプロフェッショナリズムを発揮できるよう行政や人事や雇用の仕組
みを変えるのか…、対症療法的な精神論を超えて、政府のあり方に関する与野
党のスタンスの違いが国民に見えてくるような論戦をしてほしいものです。
この際、「ブロックチェーン革命」を本気で提起する議論が出てきても良いかも
しれません。政府の電脳化を進め、民間からの情報が的確に収集、管理、蓄積
される信頼性の高い仕組みを構築する。そうでなくても人員不足の公務員を、
数字の把握のためにわざわざ企業に足を運ぶようなルーティンから解放し、電
子データの評価などより高度なプロの業務にシフトする。統一地方選と参院選
が重なった12年前の悪夢も厚労省の年金記録問題が原因でしたが、ブロック
チェーン管理で解決できる問題は行政部門には多々あるはずです。
具体的なソリューションをぶつけ合うことを通じて、各政党がめざす国の設計
思想の違いが明らかになる、国会がそのような場となることを祈るものです。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
2. 活動報告/セミナー情報
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
============================================
出演番組・イベント・寄稿等
============================================
(1)松田学新著1/25発売!
『米中 知られざる「仮想通貨」戦争の内幕』 松田学、伊藤秀俊 (共著)
購入はこちらから http://y.bmd.jp/bm/p/aa/fw.php?d=70&i=matsuda_seisaku&c=856&n=XXXX
サイバーと暗号通貨について、松田学の著書、昨年8月発刊の「サイバーセキ
ュリティと仮想通貨が日本を救う」(創藝社)に続く第2弾、今度は、松田学と
ともにこの分野の事業に携わっている伊藤秀俊氏との共著で宝島社からの出版
となりました。
第1章と第2章では、国際金融情勢や、その裏側で暗号通貨をめぐって米中間
で繰り広げられている熾烈な通貨覇権争いの状況など、ホットな内容となって
います。
松田学が執筆した第3章、第4章では、ブロックチェーン革命や前著でも提唱
した政府暗号通貨(松田プラン)に加え、日本が世界の中で独自の道を拓く「東
京クリプト金融特区」など、これからの日本を考える上でさまざまな提案を行
っています。
(2)【2019年2月11日(月)】丹羽経済塾 2月開催 公開収録
平成31年2月度「丹羽経済塾~新財源システムを提案する会」
《公開収録》
『疑問に答える!消費増税と積極財政~ソリューションとしての「松田プラン」
と暗号通貨をめぐって~』※会場との質疑応答あり
平成31年2月度の丹羽経済塾の開催は2月11日(月曜日)17:30-19:30の予定です。
<詳細はこちら>
↓↓↓
http://y.bmd.jp/bm/p/aa/fw.php?d=70&i=matsuda_seisaku&c=857&n=XXXX
<申し込みはこちら>
↓↓↓
http://y.bmd.jp/bm/p/aa/fw.php?d=70&i=matsuda_seisaku&c=858&n=XXXX
(3)松田学登壇 第3873回金融ファクシミリ新聞社セミナー
『サイバーセキュリティの課題と仮想通貨の本質
~ブロックチェーン革命とトークンエコノミーによる未来社会~』
【講演趣旨】
バーチャルとリアルが一体化し、人類社会に「第三の波」(情報革命)に続く
「第四の波」(人間革命)が訪れよう としています。特に、ブロックチェーン
革命とトークンエコノミーは人類にかつてない便利な社会をもたらそうとして
いますが、一方 でサイバーセキュリティの確保が課題として挙がっています。
そこで本講演では、未来社会の番人として高い完成度が要求されるサイバーセ
キュリティの全体像を明らかにし、仮想通貨の 本質と、ICOに代わるSTO
(Security Token Offering)や法定暗号通貨の誕生など、最新の動向について
論じます。
また、仮想通貨についても水面下で、米中間で覇権が争われていますが、その
中にあって、日本はブロックチェーン革命とトークンエコノミーで主導権を握
り、国際社会で新しいポジションを獲得できる可能性があり、本講演で暗号通
貨がもたらす未来 社会における日本の道筋についても展望します。
【日 時】2019年3月14日(木) 9:30-11:30
【事務局】TEL:03-3639-8858
【料 金】1人目は 1人目は 22,000円 (税込23,760円)
2人目から 20,500円 (税込22,140円)
【場 所】東京都中央区日本橋小網町9-9
小網町安田ビル2Fセミナールーム
主催:FNコミュニケーションズ(電話03-3639-8858)
共催:金融ファクシミリ新聞社(http://y.bmd.jp/bm/p/aa/fw.php?d=70&i=matsuda_seisaku&c=859&n=XXXX)
(4)講演・セミナー講師依頼はこちら
松田政策研究所は、松田学の講演やセミナーのご依頼を承っております。
『日本新秩序!日本の未来を描かずして改革も成長も安心もなし!松田学が日
本の未来と国家像について語ります』松田政策研究所代表、元衆議院議員東京
大学大学院客員教授の松田学が専門である金融・財政、マクロ経済だけにとど
まらずIT、やAI(人工知能)、サイバーセキュリティや危機管理などに対
する最先端の研究と松田学が考える確固たる国家像と未来予測による知見を皆
さんに語り掛けます。一緒に考えましょう!
詳細はこちら
↓↓↓
http://y.bmd.jp/bm/p/aa/fw.php?d=70&i=matsuda_seisaku&c=860&n=XXXX
お問い合わせはこちら
↓↓↓
http://y.bmd.jp/bm/p/aa/fw.php?d=70&i=matsuda_seisaku&c=861&n=XXXX
============================================
各情報発信・ツール紹介
(1)松田政策研究所動画コンテンツ 新着/アーカイブ紹介
◆『松田政策研究所動画コンセプト紹介』
http://y.bmd.jp/bm/p/aa/fw.php?d=70&i=matsuda_seisaku&c=862&n=XXXX
◆号外【ニュースを切る!】~消費増税反対の方々に敢えて問う!
2019年度予算案を解説、テーマは消費税増税への具体的対策~
http://y.bmd.jp/bm/p/aa/fw.php?d=70&i=matsuda_seisaku&c=863&n=XXXX
(2)各種 SNS紹介
◆松田政策研究所 ホームページ
http://y.bmd.jp/bm/p/aa/fw.php?d=70&i=matsuda_seisaku&c=864&n=XXXX
◆松田政策研究所 YouTubeページ
http://y.bmd.jp/bm/p/aa/fw.php?d=70&i=matsuda_seisaku&c=865&n=XXXX
◆松田学 公式ホームページはこちら
http://y.bmd.jp/bm/p/aa/fw.php?d=70&i=matsuda_seisaku&c=866&n=XXXX
◆松田学 公式ブログはこちら
http://y.bmd.jp/bm/p/aa/fw.php?d=70&i=matsuda_seisaku&c=867&n=XXXX
◆松田政策研究所 フェイスブックはこちら
http://y.bmd.jp/bm/p/aa/fw.php?d=70&i=matsuda_seisaku&c=868&n=XXXX
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
3. 松田学 政策発信
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
*ここでは松田学の過去の政策提言や国会・政治社会・経済・文化等のアーカ
イブを中心に案内して参ります。もちろん最新の松田学の提言や国会に関する
分析などもUPして参ります。
*<2018年12月23日UP>*過去のアーカイブより紹介しています
「中国経済は本当に崩壊するのか?」討論番組にパネラー出演しました
「中国経済は本当に崩壊するのか?」このタイトルでの討論番組にパネラーと
して出演しました。チャンネル桜「日本よ、今…、闘論!倒論!討論!」、12月22
日放送、配信。動画はこちらです↓
http://y.bmd.jp/bm/p/aa/fw.php?d=70&i=matsuda_seisaku&c=869&n=XXXX
なお、以下のブログエントリーにて松田学が発言した部分を解説しています。
↓↓↓
http://y.bmd.jp/bm/p/aa/fw.php?d=70&i=matsuda_seisaku&c=870&n=XXXX
こうした保守系の番組や論壇でよくみられる傾向ですが、こうあらねばならな
いという思いへと論者全員の意見が一致し、それ以外の論点が出づらくなるの
が通例。今回も、米国が中国に必ず勝つ!…確かにそうなればいいのですが、
暗号通貨やブロックチェーンなどの情報が入っている私からはあえて、情報技
術の急速な進歩は今までの常識を覆す、中国侮るべからず、の論点を出しまし
た。
財政問題では消費税凍結以外の議論を許さない保守論壇で、あたかも私が緊縮
財政派、財務省の回し者の如く批判されているのと同様、今回も私を親中派?
と批判する人がいるかもしれませんが、米中がどうあれ、日本がこれから例え
ばブロックチェーン革命などで独自のポジションを堂々と切り拓かねばならな
いことを考えるからこその注意喚起です。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
4. 編集後記
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
こんにちは事務局です。
国民的なアイドルグループ「嵐」が活動休止を発表しました。この報道一色に
なった先週でしたがその良し悪しは別にして、その記者会見のやり方に対して
賛否両論があります。ジャーニーズ贔屓の記者しか入れなかった、スマップと
の比較質問は受け付けない、記者会見の時間制限等々。
ジャーニーズ事務所はこういった場合の危機管理には長けていると業界ではよ
く言われます。昨年の日大、ボクシング協会もそうですが今回の件も一種の危
機管理です。危機管理の基本は早期に収拾し長引かせないということです。
その意味で今回の騒動、ジャニーズ事務所の対応について皆様、今回の対応は
適切だったと思われますか?
松田学通信編集部
∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽
松田学通信にお心当たりのない方、解除、その他メールマガジンに関する
お問合せは、松田政策研究所までご連絡ください。
E-mail:matsuda@yd-con.com
■□■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【発行元】松田政策研究所
〒107-0052 東京都港区赤坂9-1-7-472 TEL:03-6434-7354 FAX:03-64347356
□URL. http://matsuda-manabu.jp/ □E-mail. matsuda@yd-con.com
□FB. http://y.bmd.jp/bm/p/aa/fw.php?d=70&i=matsuda_seisaku&c=871&n=XXXX
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■
Copyright (c) 2018 Manabu Matsuda. All Rights Reserved.
※メール転送自由。掲載内容の転載・転用は事務局までご一報ください。
松田学通信 vol.50 2019.2.04
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆
メールニュースに登録いただいた方、名刺交換をさせていただいた方に一斉で
配信しております。今後配信が不要な場合は返信にてその旨お知らせください。
メールアドレス変更についても返信にて承ります。
※SSL暗号化通信標準装備(Verisign証明書取得)
_/_/ INDEX _/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
1. コラム
不祥事追及よりもソリューションを競い合う国会論戦を
~毎月勤労統計の真の問題とは~
2. 活動報告/セミナー情報
〇出演番組・イベント・寄稿等
(1)松田学新著1/25発売!
(2)【2019年2月11日(月)】丹羽経済塾 2月開催 公開収録
《公開収録》『疑問に答える!消費増税と積極財政~ソリューションとしての
「松田プラン」と暗号通貨をめぐって~』※会場との質疑応答あり
(3)松田学登壇 第3873回金融ファクシミリ新聞社セミナー
『サイバーセキュリティの課題と仮想通貨の本質
~ブロックチェーン革命とトークンエコノミーによる未来社会~』
(4)講演・セミナー講師依頼はこちら
〇各情報発信・ツール紹介
(1)松田政策研究所動画コンテンツ 新着/アーカイブ紹介
◆『松田政策研究所動画コンセプト紹介』
◆号外【ニュースを切る!】~消費増税反対の方々に敢えて問う!
2019年度予算案を解説、テーマは消費税増税への具体的対策~
(2)各種 SNS紹介
3. 松田学 政策発信
*<2018年12月23日UP>*過去のアーカイブより紹介しています
「中国経済は本当に崩壊するのか?」討論番組にパネラー出演しました。
4. 編集後記
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
1. 松田学 コラム
不祥事追及よりもソリューションを競い合う国会論戦を
~毎月勤労統計の真の問題とは~
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
国会論戦がいよいよ本格化しますが、今年は元号が変わり、「選挙の年」と言
われる年の通常国会です。不祥事をめぐる不毛なやり取りから卒業して、新し
い時代に向けた国の基本路線について有権者が真の選択をできるような骨太の
政策論争を期待したいものです。
しかし、今次の国会の焦点はまたしても不祥事…、厚労省の統計不正問題が脚
光を浴びそうです。こうした問題でトップの責任が追及されるたびに感じるこ
とですが、組織の最終責任はその時の大臣が負うものとはいえ、問題は10年
以上前から発生していたもの。今の大臣の責任は問題が発覚したときに大臣を
していることにあるというのもおかしな話です。責任をとるなら、この間、民
主党政権も含め、厚労大臣をした政治家全員ということになります。ただ、統
計分析の専門家の能力を期待されているわけではない厚労大臣の役割が、統計
の不正を見破ることにまで及ぶと考えるのも現実的ではないでしょう。
そもそもこの問題で野党が政権与党の責任を追及することにどこまで意味があ
るのか。あの「もりかけ」も、これだけ長らく国会論戦の中心でありながら、
具体的な総理大臣の不正は何ら出てきていません。議論するなら、まずは何が
真の問題なのかを明確にしてからでなければ、また、選挙向け党利党略による
印象操作に終わってしまうと思います。
今般の統計不正については、あたかも全数調査が正しく、サンプル調査が不正
であるが如き印象が蔓延していますが、母集団の数が大きい場合、適切なサン
プリングを行えば、高い精度で母集団の特性が明確になります。それは選挙の
出口調査の精度の高さからも明らかです。調査先の企業が正確に回答に記載し
ていない可能性も考えれば、全数調査にはあまり意味がなく、極論すれば予算
の無駄遣い、そこで、母集団が十分大きい東京都ではサンプル調査とし、それ
以外で全数調査をしたのは合理的だというのがプロの見方です。
では何が問題なのかといえば、ルールを直さずに、役所が勝手に運用を変えた
ことです。そして、既存のルールの建前があるため、サンプル調査に必要な補
正作業を行わなかったことです。ルールの変更はオープンの場で議論されるこ
とになりますが、日本の官僚機構ではルールを変えることへの抵抗が大きく、
できれば運用で済ませようとする傾向が強いのが実態です。解釈改憲などもそ
の典型例かもしれません。これでは仮に結論が正しくても、密室の作業になっ
てしまいますが、こうした体質の背景として、何事も建設的な審議をせずに一
方的な批難と水掛け論に終始する国会に対する官僚サイドからの日頃の不信感
が指摘できます。そこで、国会スケジュールの関係からも政府提案を絞り込ん
でしまう。
ルールよりも運用の改善で対処しようとする日本政府の全体的な体質は、与野
党を超えた国会と官僚との間に横たわる構造問題です。国会論戦では表面の現
象よりも、問題の根っ子に焦点を当て、その是正のための抜本策を政策論とし
て論じ合うべきでしょう。前回の本欄でも述べたように、統計を国家の基本と
考えつつ政府がきちんと機能するよう人員を増やす、そのためなら「大きな政
府」も是とするのか、それを否とするなら統計は民間に委託するのか、あるい
は、官僚がプロフェッショナリズムを発揮できるよう行政や人事や雇用の仕組
みを変えるのか…、対症療法的な精神論を超えて、政府のあり方に関する与野
党のスタンスの違いが国民に見えてくるような論戦をしてほしいものです。
この際、「ブロックチェーン革命」を本気で提起する議論が出てきても良いかも
しれません。政府の電脳化を進め、民間からの情報が的確に収集、管理、蓄積
される信頼性の高い仕組みを構築する。そうでなくても人員不足の公務員を、
数字の把握のためにわざわざ企業に足を運ぶようなルーティンから解放し、電
子データの評価などより高度なプロの業務にシフトする。統一地方選と参院選
が重なった12年前の悪夢も厚労省の年金記録問題が原因でしたが、ブロック
チェーン管理で解決できる問題は行政部門には多々あるはずです。
具体的なソリューションをぶつけ合うことを通じて、各政党がめざす国の設計
思想の違いが明らかになる、国会がそのような場となることを祈るものです。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
2. 活動報告/セミナー情報
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
============================================
出演番組・イベント・寄稿等
============================================
(1)松田学新著1/25発売!
『米中 知られざる「仮想通貨」戦争の内幕』 松田学、伊藤秀俊 (共著)
購入はこちらから http://y.bmd.jp/bm/p/aa/fw.php?d=70&i=matsuda_seisaku&c=856&n=XXXX
サイバーと暗号通貨について、松田学の著書、昨年8月発刊の「サイバーセキ
ュリティと仮想通貨が日本を救う」(創藝社)に続く第2弾、今度は、松田学と
ともにこの分野の事業に携わっている伊藤秀俊氏との共著で宝島社からの出版
となりました。
第1章と第2章では、国際金融情勢や、その裏側で暗号通貨をめぐって米中間
で繰り広げられている熾烈な通貨覇権争いの状況など、ホットな内容となって
います。
松田学が執筆した第3章、第4章では、ブロックチェーン革命や前著でも提唱
した政府暗号通貨(松田プラン)に加え、日本が世界の中で独自の道を拓く「東
京クリプト金融特区」など、これからの日本を考える上でさまざまな提案を行
っています。
(2)【2019年2月11日(月)】丹羽経済塾 2月開催 公開収録
平成31年2月度「丹羽経済塾~新財源システムを提案する会」
《公開収録》
『疑問に答える!消費増税と積極財政~ソリューションとしての「松田プラン」
と暗号通貨をめぐって~』※会場との質疑応答あり
平成31年2月度の丹羽経済塾の開催は2月11日(月曜日)17:30-19:30の予定です。
<詳細はこちら>
↓↓↓
http://y.bmd.jp/bm/p/aa/fw.php?d=70&i=matsuda_seisaku&c=857&n=XXXX
<申し込みはこちら>
↓↓↓
http://y.bmd.jp/bm/p/aa/fw.php?d=70&i=matsuda_seisaku&c=858&n=XXXX
(3)松田学登壇 第3873回金融ファクシミリ新聞社セミナー
『サイバーセキュリティの課題と仮想通貨の本質
~ブロックチェーン革命とトークンエコノミーによる未来社会~』
【講演趣旨】
バーチャルとリアルが一体化し、人類社会に「第三の波」(情報革命)に続く
「第四の波」(人間革命)が訪れよう としています。特に、ブロックチェーン
革命とトークンエコノミーは人類にかつてない便利な社会をもたらそうとして
いますが、一方 でサイバーセキュリティの確保が課題として挙がっています。
そこで本講演では、未来社会の番人として高い完成度が要求されるサイバーセ
キュリティの全体像を明らかにし、仮想通貨の 本質と、ICOに代わるSTO
(Security Token Offering)や法定暗号通貨の誕生など、最新の動向について
論じます。
また、仮想通貨についても水面下で、米中間で覇権が争われていますが、その
中にあって、日本はブロックチェーン革命とトークンエコノミーで主導権を握
り、国際社会で新しいポジションを獲得できる可能性があり、本講演で暗号通
貨がもたらす未来 社会における日本の道筋についても展望します。
【日 時】2019年3月14日(木) 9:30-11:30
【事務局】TEL:03-3639-8858
【料 金】1人目は 1人目は 22,000円 (税込23,760円)
2人目から 20,500円 (税込22,140円)
【場 所】東京都中央区日本橋小網町9-9
小網町安田ビル2Fセミナールーム
主催:FNコミュニケーションズ(電話03-3639-8858)
共催:金融ファクシミリ新聞社(http://y.bmd.jp/bm/p/aa/fw.php?d=70&i=matsuda_seisaku&c=859&n=XXXX)
(4)講演・セミナー講師依頼はこちら
松田政策研究所は、松田学の講演やセミナーのご依頼を承っております。
『日本新秩序!日本の未来を描かずして改革も成長も安心もなし!松田学が日
本の未来と国家像について語ります』松田政策研究所代表、元衆議院議員東京
大学大学院客員教授の松田学が専門である金融・財政、マクロ経済だけにとど
まらずIT、やAI(人工知能)、サイバーセキュリティや危機管理などに対
する最先端の研究と松田学が考える確固たる国家像と未来予測による知見を皆
さんに語り掛けます。一緒に考えましょう!
詳細はこちら
↓↓↓
http://y.bmd.jp/bm/p/aa/fw.php?d=70&i=matsuda_seisaku&c=860&n=XXXX
お問い合わせはこちら
↓↓↓
http://y.bmd.jp/bm/p/aa/fw.php?d=70&i=matsuda_seisaku&c=861&n=XXXX
============================================
各情報発信・ツール紹介
(1)松田政策研究所動画コンテンツ 新着/アーカイブ紹介
◆『松田政策研究所動画コンセプト紹介』
http://y.bmd.jp/bm/p/aa/fw.php?d=70&i=matsuda_seisaku&c=862&n=XXXX
◆号外【ニュースを切る!】~消費増税反対の方々に敢えて問う!
2019年度予算案を解説、テーマは消費税増税への具体的対策~
http://y.bmd.jp/bm/p/aa/fw.php?d=70&i=matsuda_seisaku&c=863&n=XXXX
(2)各種 SNS紹介
◆松田政策研究所 ホームページ
http://y.bmd.jp/bm/p/aa/fw.php?d=70&i=matsuda_seisaku&c=864&n=XXXX
◆松田政策研究所 YouTubeページ
http://y.bmd.jp/bm/p/aa/fw.php?d=70&i=matsuda_seisaku&c=865&n=XXXX
◆松田学 公式ホームページはこちら
http://y.bmd.jp/bm/p/aa/fw.php?d=70&i=matsuda_seisaku&c=866&n=XXXX
◆松田学 公式ブログはこちら
http://y.bmd.jp/bm/p/aa/fw.php?d=70&i=matsuda_seisaku&c=867&n=XXXX
◆松田政策研究所 フェイスブックはこちら
http://y.bmd.jp/bm/p/aa/fw.php?d=70&i=matsuda_seisaku&c=868&n=XXXX
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
3. 松田学 政策発信
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
*ここでは松田学の過去の政策提言や国会・政治社会・経済・文化等のアーカ
イブを中心に案内して参ります。もちろん最新の松田学の提言や国会に関する
分析などもUPして参ります。
*<2018年12月23日UP>*過去のアーカイブより紹介しています
「中国経済は本当に崩壊するのか?」討論番組にパネラー出演しました
「中国経済は本当に崩壊するのか?」このタイトルでの討論番組にパネラーと
して出演しました。チャンネル桜「日本よ、今…、闘論!倒論!討論!」、12月22
日放送、配信。動画はこちらです↓
http://y.bmd.jp/bm/p/aa/fw.php?d=70&i=matsuda_seisaku&c=869&n=XXXX
なお、以下のブログエントリーにて松田学が発言した部分を解説しています。
↓↓↓
http://y.bmd.jp/bm/p/aa/fw.php?d=70&i=matsuda_seisaku&c=870&n=XXXX
こうした保守系の番組や論壇でよくみられる傾向ですが、こうあらねばならな
いという思いへと論者全員の意見が一致し、それ以外の論点が出づらくなるの
が通例。今回も、米国が中国に必ず勝つ!…確かにそうなればいいのですが、
暗号通貨やブロックチェーンなどの情報が入っている私からはあえて、情報技
術の急速な進歩は今までの常識を覆す、中国侮るべからず、の論点を出しまし
た。
財政問題では消費税凍結以外の議論を許さない保守論壇で、あたかも私が緊縮
財政派、財務省の回し者の如く批判されているのと同様、今回も私を親中派?
と批判する人がいるかもしれませんが、米中がどうあれ、日本がこれから例え
ばブロックチェーン革命などで独自のポジションを堂々と切り拓かねばならな
いことを考えるからこその注意喚起です。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
4. 編集後記
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
こんにちは事務局です。
国民的なアイドルグループ「嵐」が活動休止を発表しました。この報道一色に
なった先週でしたがその良し悪しは別にして、その記者会見のやり方に対して
賛否両論があります。ジャーニーズ贔屓の記者しか入れなかった、スマップと
の比較質問は受け付けない、記者会見の時間制限等々。
ジャーニーズ事務所はこういった場合の危機管理には長けていると業界ではよ
く言われます。昨年の日大、ボクシング協会もそうですが今回の件も一種の危
機管理です。危機管理の基本は早期に収拾し長引かせないということです。
その意味で今回の騒動、ジャニーズ事務所の対応について皆様、今回の対応は
適切だったと思われますか?
松田学通信編集部
∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽
松田学通信にお心当たりのない方、解除、その他メールマガジンに関する
お問合せは、松田政策研究所までご連絡ください。
E-mail:matsuda@yd-con.com
■□■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【発行元】松田政策研究所
〒107-0052 東京都港区赤坂9-1-7-472 TEL:03-6434-7354 FAX:03-64347356
□URL. http://matsuda-manabu.jp/ □E-mail. matsuda@yd-con.com
□FB. http://y.bmd.jp/bm/p/aa/fw.php?d=70&i=matsuda_seisaku&c=871&n=XXXX
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■
Copyright (c) 2018 Manabu Matsuda. All Rights Reserved.
※メール転送自由。掲載内容の転載・転用は事務局までご一報ください。