財務次官人事と財務省の撤退~官僚機構をめぐる日本の課題を考える ~松田学 通信 vol.23 2018.07.30
2018/07/30 (Mon) 08:30
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松田学通信 vol.23 2018.07.30
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配信しております。今後配信が不要な場合は返信にてその旨お知らせください。
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1. コラム
財務次官人事と財務省の撤退~官僚機構をめぐる日本の課題を考える~
2. 活動報告/セミナー情報
松田政策研究所 第20回YouTube動画紹介
・『AIとヘリコプターマネーとベーシックインカム』紹介編
http://y.bmd.jp/bm/p/aa/fw.php?d=70&i=matsuda_seisaku&c=311&n=XXXX
・今後の動画配信予定
・経済指標は今後隔週配信となります。
*出演番組・イベント・寄稿等
・7/20(金)発売!松田学新著
『サイバーセキュリティと仮想通貨が日本を救う』紹介動画
http://y.bmd.jp/bm/p/aa/fw.php?d=70&i=matsuda_seisaku&c=312&n=XXXX
・【セミナー紹介】*どなたでもご参加いただけます
8/26(日)17:30 - 19:30
丹羽経済塾「日本の未来をプロデュースする新たな財政・通貨基盤
~松田学新著『サイバーセキュリティと仮想通貨が日本を救う』について~」
3. 松田学 政策発信
<2018年7月26日ブログエントリー>
人類に訪れる「第四の波」その2
~中間機能ゼロ社会の衝撃【未来社会の断面図】~松田学の論考
↓↓↓
http://y.bmd.jp/bm/p/aa/fw.php?d=70&i=matsuda_seisaku&c=313&n=XXXX
4. 編集後記
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
1. 松田学 コラム
財務次官人事と財務省の撤退~官僚機構をめぐる日本の課題を考える~
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
財務省の幹部人事がようやく発令になりました。7月末と、例年よりかなり遅い、
しかも近年になく注目された財務次官人事でした。
一時は、文書改竄問題とは無縁だったということで、星野主税局長や、浅川財
務官の名前まで浮上し、いかにも今回は異例の事態との印象を与えたものです
が、結局、元から言われていた本命の前主計局長、岡本薫明氏で決まりました。
私も一緒に仕事をしたことのある気配り万全な温和な人物で、省内外からの人
望が厚く、失墜した財務省の信頼回復の上では順当な選択だったと思います。
ただ、今回は一連のスキャンダルでこれだけ次官人事が注目された財務省です
が、昔日の大蔵省時代と比べれば、そこまで注目を浴びるのが不釣り合いなほ
ど、そもそも官庁としてのプレステージは低下しています。これを象徴するの
が退官後の再就職先。近年の「天下り」批判もあって、以前よりも相当、「格
下」になっています。
私の入省間もない頃、同じ課の先輩が「大蔵事務次官になっても、必ずしも日
銀総裁になるわけではない、辞めれば専売公社総裁程度だ、大蔵省で出世など
目指しても仕方ない」などと言っていたことを憶えています。専売公社は現在
はJTですが、いまや財務官僚がそのトップになることすら難しいでしょう。か
つて大蔵事務次官経験者が総裁を占めてきた数ある名立たる政府系金融機関も、
現在では、多くの機関でトップは民間人かプロパー、官庁の中の官庁たる財務
省のトップも、退官後はその補佐役。大蔵次官経験者の指定席だった某地銀ト
ップ行の頭取の椅子も、このたび完全にプロパー化しました。
長らく官僚支配と言われ続けてきた日本でも、経済社会からの財務省の撤退は
顕著です。それは時代の流れであり、そもそも官僚が政治や民間に対して強い
力を持つこと自体、矩(のり)をこえていたという面はあるでしょう。しかし、
日本を取り巻く国際情勢や人口減少のもとで発生するであろう複雑な諸問題な
ど、プロとしての官僚にはそれなりの力を発揮してもらわなければならない局
面に日本は入っていくと思います。ならば、いまや「人生百年時代」です。官
僚機構に国を導く優れた人材を確保していく上で、再就職を始め、彼らの自由
な活動を制約することは大きなマイナスになることも考えるべきでしょう。
省庁による再就職あっせんが禁止されてから退官した方々の姿の多くは、せっ
かく税金を投じて長年にわたり培われた彼らの能力が活かされない、社会全体
としてもったいないと感じさせるものがあります。人材活用の仕組みの再構築
は大きな課題になるでしょう。
官僚は在職中に燃え尽きるべきだと言う人もいますが、そのためには、退官後
の長い人生の生活保障が必要になります。ドイツの場合、退官時の年収の7~8
割を支給する恩給制度がありますが、日本の官僚は他の先進国と比べても、年
金等は格段に少ないのが実態。自分が受け取る年金額を知ると、これではまと
もに生活できないと感じるのが霞が関官僚の通例です。霞が関が「退官後の生
活保障共同体」になってきた理由です。
これでは、いくら再就職あっせんを禁じても、水面下ではかえって陰湿な形で、
再就職ポスト回しがはびこるだけでしょう。かと言って、彼らの給料や年金を
上げることは簡単ではありません。退官後の職場や自己実現の場、生活などの
心配をせずに職務に専念できる官僚像を求めるなら、組織に依存せずに社会で
能力を発揮し続けられるような普遍的な能力としてのプロフェッショナリズム
を官僚の世界に構築することも課題になるでしょう。
いずれにせよ、官庁は他に代替できる競争相手がいる民間企業とは異なり、不
祥事があったからと言って財務省は潰せないのですから、国として必要な機能
を十全に発揮してもらうことを第一に考えるべき対象です。財務省の信用失墜
とは、財務官僚や今後の消費増税にとっての問題だと突き放すのでなく、国民
にとっての問題なのだと考えたいものです。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
2. 活動報告/セミナー情報
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
***松田政策研究所 YouTube動画配信開始***
松田政策研究所動画コンテンツ
↓↓↓
松田政策研究所動画コンセプト⇒松田学が研究・実践してきたこれからの日本
の未来に関する国家像や社会の在り様について政治・経済・社会・文化・歴史・
及び国際関係・科学技術・財政金融・危機管理・安全保障に至るまで、幅広い
テーマについて松田学を中心とした講師・研究員がお届けする日本人がこれか
ら身に着けるべきインテリジェンス(知恵・知識・教養・諜報・情報)を他に
はない”リアリズム視点”の動画でお届けする。
*********************
第19回≪動画紹介≫
『AIとヘリコプターマネーとベーシックインカム』紹介編
http://y.bmd.jp/bm/p/aa/fw.php?d=70&i=matsuda_seisaku&c=314&n=XXXX
*次回 『消費税』紹介編です。
*********************
<今後の動画配信予定>
・『サイバーセキュリティ』
◆紹介編に続きテーマごとの本編開始予定◆
==============================================
各情報発信ツール紹介
==============================================
・松田政策研究所 YouTubeページ
http://y.bmd.jp/bm/p/aa/fw.php?d=70&i=matsuda_seisaku&c=315&n=XXXX
・松田学 公式ホームページはこちら
http://y.bmd.jp/bm/p/aa/fw.php?d=70&i=matsuda_seisaku&c=316&n=XXXX
・松田学 公式ブログはこちら
http://y.bmd.jp/bm/p/aa/fw.php?d=70&i=matsuda_seisaku&c=317&n=XXXX
・松田政策研究所 フェイスブックはこちら
http://y.bmd.jp/bm/p/aa/fw.php?d=70&i=matsuda_seisaku&c=318&n=XXXX
==============================================
出演番組・イベント等
==============================================
・7/20(金)発売!松田学新著
『サイバーセキュリティと仮想通貨が日本を救う』紹介動画
↓↓↓
http://y.bmd.jp/bm/p/aa/fw.php?d=70&i=matsuda_seisaku&c=319&n=XXXX
・【セミナー紹介】*どなたでもご参加いただけます
8/26(日)17:30 - 19:30
丹羽経済塾「日本の未来をプロデュースする新たな財政・通貨基盤
~松田学新著『サイバーセキュリティと仮想通貨が日本を救う』について~」
出席を希望される方は下記にお知らせください。
<栗原茂男宛 Mail : kulihala@sepia.ocn.ne.jp>
この度、松田政策研究所代表 松田学が会長を務めます「丹羽経済塾」にて
以下の新著記念セミナーを開催いたします。
ご都合のつく方はぜひご参加ください。
<セミナー詳細>
↓↓↓
猛暑が続きますが、皆さん体調は如何でしょうか?まだまだ暑い日が続くと
思われますのでので、お体にはくれぐれもお気を付けください。
さて8月の丹羽経済塾ですが、松田学会長が創藝社より
『サイバーセキュリティと仮想通貨が日本を救う』
http://y.bmd.jp/bm/p/aa/fw.php?d=70&i=matsuda_seisaku&c=320&n=XXXX を上梓されます。
丹羽経済塾は貨幣の政府発行特権を利用して経済、財政政策を行うべしと言う
丹羽春喜博士の御主張を継承して勉強会を行っています。現会長の松田学会長
は中々理解を得難い政府貨幣論を少し道筋を変えてはいても同じ方向を目指し
ていますが、昨今の日銀のマネタリーベースの超大増発を奇貨として、更に政
府、日銀も本腰を入れている仮想通貨の活用も睨んでの提言をされています。
そんな折、創藝社から『サイバーセキュリティと仮想通貨が日本を救う』が出
版されるので平成30年8月度の丹羽経済塾は松田会長の出版記念を兼ねて開催
いたします。
尚、著書は会場内でも販売いたしますが、既にご購入された方は会場に持参い
ただければサイン会にて著者よりサインをいたします。
日時:8月26日(日曜日)17:30 - 19:30
演題:日本の未来をプロデュースする新たな財政・通貨基盤
~松田学新著『サイバーセキュリティと仮想通貨が日本を救う』について~
講師:松田 学氏
会場:ハロー貸会議室飯田橋 第5田中ビル 5階
〒102-0072 東京都千代田区飯田橋3-4-4
※《 交通 》
JR中央線(快速) 飯田橋駅 東口 徒歩3分
JR中央・総武線 飯田橋駅 東口 徒歩3分
東京メトロ東西線 飯田橋駅 A5番出口 徒歩1分
都営大江戸線 飯田橋駅 A2番出口 徒歩1分
****************************
出席を希望される方は下記にお知らせください。
栗原茂男宛 Mail : kulihala@sepia.ocn.ne.jp
FAX:03-3714-3622 携帯:090-7218-5584
****************************
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
3. 松田学 政策発信
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
*ここでは松田学の過去の政策提言や国会・政治社会・経済・文化等の
アーカイブを中心に案内して参ります。
もちろん最新の松田学の提言や国会に関する分析などもUPして参ります。
<2018年7月26日ブログエントリー>
人類に訪れる「第四の波」その2
~中間機能ゼロ社会の衝撃【未来社会の断面図】~ 松田学の論考
トフラーが提唱した「第三の波」は情報革命でしたが、その帰結として近未来
の人類に訪れようとしているのが「第四の波」。この地球上に誕生して以来、
道具から始まって、機械、産業や文明、国家など、自らと外界との間に介在す
る「中間機能」を高度に発達させることで生存域を拡大してきた人類が、今度
は、中間機能と一体化する…。そのとき、人類は自分自身の生体を変革させて
いく存在になる。
続きはこちらから
↓↓↓
http://y.bmd.jp/bm/p/aa/fw.php?d=70&i=matsuda_seisaku&c=321&n=XXXX
松田学のビデオレター、第90回は「気象と技術の想定外~不確実性をリスクに
転換する将来投資を」チャンネル桜7月13日放映。
こちら↓をご覧ください。
http://y.bmd.jp/bm/p/aa/fw.php?d=70&i=matsuda_seisaku&c=322&n=XXXX
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
4. 編集後記
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ここの所、いわゆる司法取引に関する事件が立て続けに報道されている。海外
の公務員に対する某企業の贈賄と文部省裏口入学に関してだ。
この短期間に今までは日本においてあまり重要視されてこなかった司法取引の
問題が取りざたされ、新聞社会面TOPになるとは、はて何かあるのかな?と
疑いたくもなる。検察の情報戦略と題して広報の専門家と議論したが、情報の
出し方はさすがと言えそうだ。
今後日本においても司法取引が広まっていくのだろうか?
松田学通信編集部
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松田学通信にお心当たりのない方、解除、その他メールマガジンに関する
お問合せは、松田政策研究所までご連絡ください。
E-mail:matsuda@yd-con.com
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【発行元】松田政策研究所
〒107-0052 東京都港区赤坂9-1-7-472 TEL:03-6434-7354 FAX:03-64347356
□URL. http://matsuda-manabu.jp/ □E-mail. matsuda@yd-con.com
□FB. http://y.bmd.jp/bm/p/aa/fw.php?d=70&i=matsuda_seisaku&c=323&n=XXXX
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※メール転送自由。掲載内容の転載・転用は事務局までご一報ください。
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1. コラム
財務次官人事と財務省の撤退~官僚機構をめぐる日本の課題を考える~
2. 活動報告/セミナー情報
松田政策研究所 第20回YouTube動画紹介
・『AIとヘリコプターマネーとベーシックインカム』紹介編
http://y.bmd.jp/bm/p/aa/fw.php?d=70&i=matsuda_seisaku&c=311&n=XXXX
・今後の動画配信予定
・経済指標は今後隔週配信となります。
*出演番組・イベント・寄稿等
・7/20(金)発売!松田学新著
『サイバーセキュリティと仮想通貨が日本を救う』紹介動画
http://y.bmd.jp/bm/p/aa/fw.php?d=70&i=matsuda_seisaku&c=312&n=XXXX
・【セミナー紹介】*どなたでもご参加いただけます
8/26(日)17:30 - 19:30
丹羽経済塾「日本の未来をプロデュースする新たな財政・通貨基盤
~松田学新著『サイバーセキュリティと仮想通貨が日本を救う』について~」
3. 松田学 政策発信
<2018年7月26日ブログエントリー>
人類に訪れる「第四の波」その2
~中間機能ゼロ社会の衝撃【未来社会の断面図】~松田学の論考
↓↓↓
http://y.bmd.jp/bm/p/aa/fw.php?d=70&i=matsuda_seisaku&c=313&n=XXXX
4. 編集後記
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1. 松田学 コラム
財務次官人事と財務省の撤退~官僚機構をめぐる日本の課題を考える~
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財務省の幹部人事がようやく発令になりました。7月末と、例年よりかなり遅い、
しかも近年になく注目された財務次官人事でした。
一時は、文書改竄問題とは無縁だったということで、星野主税局長や、浅川財
務官の名前まで浮上し、いかにも今回は異例の事態との印象を与えたものです
が、結局、元から言われていた本命の前主計局長、岡本薫明氏で決まりました。
私も一緒に仕事をしたことのある気配り万全な温和な人物で、省内外からの人
望が厚く、失墜した財務省の信頼回復の上では順当な選択だったと思います。
ただ、今回は一連のスキャンダルでこれだけ次官人事が注目された財務省です
が、昔日の大蔵省時代と比べれば、そこまで注目を浴びるのが不釣り合いなほ
ど、そもそも官庁としてのプレステージは低下しています。これを象徴するの
が退官後の再就職先。近年の「天下り」批判もあって、以前よりも相当、「格
下」になっています。
私の入省間もない頃、同じ課の先輩が「大蔵事務次官になっても、必ずしも日
銀総裁になるわけではない、辞めれば専売公社総裁程度だ、大蔵省で出世など
目指しても仕方ない」などと言っていたことを憶えています。専売公社は現在
はJTですが、いまや財務官僚がそのトップになることすら難しいでしょう。か
つて大蔵事務次官経験者が総裁を占めてきた数ある名立たる政府系金融機関も、
現在では、多くの機関でトップは民間人かプロパー、官庁の中の官庁たる財務
省のトップも、退官後はその補佐役。大蔵次官経験者の指定席だった某地銀ト
ップ行の頭取の椅子も、このたび完全にプロパー化しました。
長らく官僚支配と言われ続けてきた日本でも、経済社会からの財務省の撤退は
顕著です。それは時代の流れであり、そもそも官僚が政治や民間に対して強い
力を持つこと自体、矩(のり)をこえていたという面はあるでしょう。しかし、
日本を取り巻く国際情勢や人口減少のもとで発生するであろう複雑な諸問題な
ど、プロとしての官僚にはそれなりの力を発揮してもらわなければならない局
面に日本は入っていくと思います。ならば、いまや「人生百年時代」です。官
僚機構に国を導く優れた人材を確保していく上で、再就職を始め、彼らの自由
な活動を制約することは大きなマイナスになることも考えるべきでしょう。
省庁による再就職あっせんが禁止されてから退官した方々の姿の多くは、せっ
かく税金を投じて長年にわたり培われた彼らの能力が活かされない、社会全体
としてもったいないと感じさせるものがあります。人材活用の仕組みの再構築
は大きな課題になるでしょう。
官僚は在職中に燃え尽きるべきだと言う人もいますが、そのためには、退官後
の長い人生の生活保障が必要になります。ドイツの場合、退官時の年収の7~8
割を支給する恩給制度がありますが、日本の官僚は他の先進国と比べても、年
金等は格段に少ないのが実態。自分が受け取る年金額を知ると、これではまと
もに生活できないと感じるのが霞が関官僚の通例です。霞が関が「退官後の生
活保障共同体」になってきた理由です。
これでは、いくら再就職あっせんを禁じても、水面下ではかえって陰湿な形で、
再就職ポスト回しがはびこるだけでしょう。かと言って、彼らの給料や年金を
上げることは簡単ではありません。退官後の職場や自己実現の場、生活などの
心配をせずに職務に専念できる官僚像を求めるなら、組織に依存せずに社会で
能力を発揮し続けられるような普遍的な能力としてのプロフェッショナリズム
を官僚の世界に構築することも課題になるでしょう。
いずれにせよ、官庁は他に代替できる競争相手がいる民間企業とは異なり、不
祥事があったからと言って財務省は潰せないのですから、国として必要な機能
を十全に発揮してもらうことを第一に考えるべき対象です。財務省の信用失墜
とは、財務官僚や今後の消費増税にとっての問題だと突き放すのでなく、国民
にとっての問題なのだと考えたいものです。
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2. 活動報告/セミナー情報
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***松田政策研究所 YouTube動画配信開始***
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松田政策研究所動画コンセプト⇒松田学が研究・実践してきたこれからの日本
の未来に関する国家像や社会の在り様について政治・経済・社会・文化・歴史・
及び国際関係・科学技術・財政金融・危機管理・安全保障に至るまで、幅広い
テーマについて松田学を中心とした講師・研究員がお届けする日本人がこれか
ら身に着けるべきインテリジェンス(知恵・知識・教養・諜報・情報)を他に
はない”リアリズム視点”の動画でお届けする。
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『AIとヘリコプターマネーとベーシックインカム』紹介編
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*次回 『消費税』紹介編です。
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<今後の動画配信予定>
・『サイバーセキュリティ』
◆紹介編に続きテーマごとの本編開始予定◆
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・松田学 公式ブログはこちら
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『サイバーセキュリティと仮想通貨が日本を救う』紹介動画
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8/26(日)17:30 - 19:30
丹羽経済塾「日本の未来をプロデュースする新たな財政・通貨基盤
~松田学新著『サイバーセキュリティと仮想通貨が日本を救う』について~」
出席を希望される方は下記にお知らせください。
<栗原茂男宛 Mail : kulihala@sepia.ocn.ne.jp>
この度、松田政策研究所代表 松田学が会長を務めます「丹羽経済塾」にて
以下の新著記念セミナーを開催いたします。
ご都合のつく方はぜひご参加ください。
<セミナー詳細>
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猛暑が続きますが、皆さん体調は如何でしょうか?まだまだ暑い日が続くと
思われますのでので、お体にはくれぐれもお気を付けください。
さて8月の丹羽経済塾ですが、松田学会長が創藝社より
『サイバーセキュリティと仮想通貨が日本を救う』
http://y.bmd.jp/bm/p/aa/fw.php?d=70&i=matsuda_seisaku&c=320&n=XXXX を上梓されます。
丹羽経済塾は貨幣の政府発行特権を利用して経済、財政政策を行うべしと言う
丹羽春喜博士の御主張を継承して勉強会を行っています。現会長の松田学会長
は中々理解を得難い政府貨幣論を少し道筋を変えてはいても同じ方向を目指し
ていますが、昨今の日銀のマネタリーベースの超大増発を奇貨として、更に政
府、日銀も本腰を入れている仮想通貨の活用も睨んでの提言をされています。
そんな折、創藝社から『サイバーセキュリティと仮想通貨が日本を救う』が出
版されるので平成30年8月度の丹羽経済塾は松田会長の出版記念を兼ねて開催
いたします。
尚、著書は会場内でも販売いたしますが、既にご購入された方は会場に持参い
ただければサイン会にて著者よりサインをいたします。
日時:8月26日(日曜日)17:30 - 19:30
演題:日本の未来をプロデュースする新たな財政・通貨基盤
~松田学新著『サイバーセキュリティと仮想通貨が日本を救う』について~
講師:松田 学氏
会場:ハロー貸会議室飯田橋 第5田中ビル 5階
〒102-0072 東京都千代田区飯田橋3-4-4
※《 交通 》
JR中央線(快速) 飯田橋駅 東口 徒歩3分
JR中央・総武線 飯田橋駅 東口 徒歩3分
東京メトロ東西線 飯田橋駅 A5番出口 徒歩1分
都営大江戸線 飯田橋駅 A2番出口 徒歩1分
****************************
出席を希望される方は下記にお知らせください。
栗原茂男宛 Mail : kulihala@sepia.ocn.ne.jp
FAX:03-3714-3622 携帯:090-7218-5584
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3. 松田学 政策発信
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*ここでは松田学の過去の政策提言や国会・政治社会・経済・文化等の
アーカイブを中心に案内して参ります。
もちろん最新の松田学の提言や国会に関する分析などもUPして参ります。
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人類に訪れる「第四の波」その2
~中間機能ゼロ社会の衝撃【未来社会の断面図】~ 松田学の論考
トフラーが提唱した「第三の波」は情報革命でしたが、その帰結として近未来
の人類に訪れようとしているのが「第四の波」。この地球上に誕生して以来、
道具から始まって、機械、産業や文明、国家など、自らと外界との間に介在す
る「中間機能」を高度に発達させることで生存域を拡大してきた人類が、今度
は、中間機能と一体化する…。そのとき、人類は自分自身の生体を変革させて
いく存在になる。
続きはこちらから
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松田学のビデオレター、第90回は「気象と技術の想定外~不確実性をリスクに
転換する将来投資を」チャンネル桜7月13日放映。
こちら↓をご覧ください。
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4. 編集後記
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ここの所、いわゆる司法取引に関する事件が立て続けに報道されている。海外
の公務員に対する某企業の贈賄と文部省裏口入学に関してだ。
この短期間に今までは日本においてあまり重要視されてこなかった司法取引の
問題が取りざたされ、新聞社会面TOPになるとは、はて何かあるのかな?と
疑いたくもなる。検察の情報戦略と題して広報の専門家と議論したが、情報の
出し方はさすがと言えそうだ。
今後日本においても司法取引が広まっていくのだろうか?
松田学通信編集部
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お問合せは、松田政策研究所までご連絡ください。
E-mail:matsuda@yd-con.com
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【発行元】松田政策研究所
〒107-0052 東京都港区赤坂9-1-7-472 TEL:03-6434-7354 FAX:03-64347356
□URL. http://matsuda-manabu.jp/ □E-mail. matsuda@yd-con.com
□FB. http://y.bmd.jp/bm/p/aa/fw.php?d=70&i=matsuda_seisaku&c=323&n=XXXX
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