安倍総理のリーダーシップとトランプの「合成の誤謬」松田学 通信 vol.20 2018.07.09
2018/07/09 (Mon) 08:30
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松田学通信 vol.20 2018.07.09
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1. コラム
安倍総理のリーダーシップとトランプの「合成の誤謬」
2. 活動報告/セミナー情報
〇松田政策研究所 第17回YouTube動画紹介
・『永久国債』紹介編
http://y.bmd.jp/bm/p/aa/fw.php?d=70&i=matsuda_seisaku&c=248&n=XXXX
・今後の動画配信予定
〇各情報発信ツール紹介
・経済を見る!松田政策研究所(松田学)がお勧めする計数等情報
〇日本経済の景況感について足元の状況や短期の見通しを示す指標…「日銀短観」
*出演番組・イベント・寄稿等
・「新政界往来」誌7月号 松田学寄稿
「-日本新秩序へー松田まなぶの国力倍増論
-第14回『もりかけ騒動と財務省改革を考える視点』」
3. 松田学 政策発信
*<2018年7月1日ブログエントリー>
【試論・松田プラン】その9
なぜ、答えは政府発行の暗号通貨なのか~財政再建の秘策~松田学の論考
4. 編集後記
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
1. 松田学 コラム
安倍総理のリーダーシップとトランプの「合成の誤謬」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
最近、安倍総理の側近の方々からよく耳にしますが、G7などの国際会議の場
では、トランプも欧州首脳も困ったときは「シンゾウ、どう思う?」。ここで
安倍総理が表明する意見へと、結論が収斂するパターンが多くなっているよう
です。「ハチャメチャ」なトランプ大統領を前に、いまや米国や欧州に代わっ
て国際社会をリードしている国は日本なのか…。
これは日本の歴史始まって以来の快挙かもしれません。国内では「もりかけ」、
「一強」などと足を引っ張られる安倍総理ですが、安倍氏への好き嫌いを超え
て、とにかく今は政権基盤が安定してもらうこと自体が国益、日本のチャンス
であるのは事実だといえます。
米欧間の貿易摩擦では、ハーレーダビッドソンが海外への移転を表明しました
が、これはトランプの「一国主義」が実は、米国一国の利益にならないことを
象徴するものです。トランプは「海外に奪われた富や雇用を国内に取り戻す」
ことを掲げて当選した大統領ですが、それをめざすなら、同じく公約で掲げた
「保護」も、一連の制裁措置も逆効果。外国から報復を招くという政治的な問
題だけではありません。経済のメカニズムは冷徹です。
「合成の誤謬」という言葉があります。これは、ミクロでは合理的にみえる行
動が、マクロでは、その意図とは逆の結果をもたらすという教えです。
経済学の教科書によく出てくるのは、家計が自らの貯金を増やしたいと思って
消費を抑える→多くの家計がそうすることで経済全体では不景気となって企業
の売上げが減る→企業は賃金を抑える→結局、自らの家計所得が減って、増や
そうとしたはずの貯金が減る、という現象です。
経済のどの部門もそうです。企業なら、自社の利潤を増やそうとしてリストラ
で人件費を抑制する→多くの企業がこれをすると経済全体で雇用者所得や個人
消費が減る→不景気になって自社の利潤も減る。国であれば、財政赤字を減ら
すために増税か社会保障費の削減をする→経済が不景気になって税収が減る→
財政赤字がかえって拡大することがある。
では、一国経済全体でみた海外部門の場合はどうでしょうか。貿易赤字を減ら
したい→関税などで輸入を減らす→外国の雇用や所得が減る→自国製品への外
国からの需要が減る→輸出が減る→(1)自国の貿易赤字が拡大する。また、国
内の雇用確保のために関税を引き上げる→より高いものを買わされることで、
(2)国内の消費者の実質所得が減る、と同時に、海外からの部品などの投入財
価格が上がることで工場が海外に移転し、(3)国内雇用が減る。
(1)も(2)も(3)も、来たる中間選挙でトランプ側を不利にする要因になるでしょう。
日本にも昔、「黒字有用論」という、やや間違った議論がありましたが、黒字
は富でも儲けでもありません。それは、各企業が日々行っている輸出と輸入を
一国全体で合計して差分をとった統計上の数字に過ぎず、「輸出超過」という
言い方が正確です。外貨準備がたまっても、その多くは貿易赤字国である米国
の国債に運用され、おカネの形で米国に還元されます。米国は世界からモノと
カネを吸引して豊かさを享受している国。それは米ドル基軸通貨体制の特権です。
むしろ米国には、経常収支の赤字で海外に米ドルを供給することで世界経済を
回し、自国の繁栄につなげるという循環パターンを主宰する基軸通貨国として
の責務があります。それこそが、トランプが取り戻すとしている「偉大なる米国」。
貿易赤字を「ロス」=損失と表現するトランプは、あたかも輸出=売上げ、
輸入=経費、として企業経営と国家運営とを混同する初歩的なミスをおかして
いますが、もしわかった上で言っているなら、より罪深いでしょう。
それはまるで外貨準備が不足している小国の発想。偉大なる米国の自己否定です。
7月6日には米中の間でいよいよ本物の貿易「戦争」が始まりましたが、中国の
対米黒字の多くを占め、それで利益をあげているのも米国企業。
合成の誤謬で選挙に負けないようにと、「シンゾウ」の説得力に期待したいものです。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
2. 活動報告/セミナー情報
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
***松田政策研究所 YouTube動画配信開始***
松田政策研究所動画コンテンツ
↓↓↓
松田政策研究所動画コンセプト⇒松田学が研究・実践してきたこれからの日本
の未来に関する国家像や社会の在り様について政治・経済・社会・文化・歴史・
及び国際関係・科学技術・財政金融・危機管理・安全保障に至るまで、幅広い
テーマについて松田学を中心とした講師・研究員がお届けする日本人がこれか
ら身に着けるべきインテリジェンス(知恵・知識・教養・諜報・情報)を他に
はない”リアリズム視点”の動画でお届けする。
*********************
第17回≪動画紹介≫
『永久国債』 紹介編
http://y.bmd.jp/bm/p/aa/fw.php?d=70&i=matsuda_seisaku&c=249&n=XXXX
*次回 『財政運営の松田プラン』紹介編 です。
*********************
<今後の動画配信予定>
・『三層構造財源システム』
・『消費税』
・『AIとヘリコプターマネーとベーシックインカム』
・『消費税』
◆紹介編に続きテーマごとの本編開始予定◆
==============================================
各情報発信ツール紹介
==============================================
・NEW 経済を見る!松田政策研究所(松田学)がお勧めする計数等情報
松田学がよく使う統計指標を中心に今後少しずつ解説を入れてご紹介して参ります。
ご期待ください。(今後ホームページにも掲載予定)
〇日本経済の景況感について足元の状況や短期の見通しを示す指標…「日銀短観」
日本銀行が四半期ごとに実施、発表している調査で、短観は「タンカン」と読
みます。正式名称は「全国企業短期経済観測調査」です。全国の企業動向を的
確に把握し、金融政策の適切な運営に資することを目的としています。
4月、7月、10月、1月のそれぞれ月初に、前月に行った調査をとりまとめて日銀
から発表されています
約1万社の企業を対象とするアンケート調査ですので、企業が自社の業況や経
済環境の現状・先行きについてどうみているかといった項目から景況感を把握
する
上で役立ちます。これらに加え、売上高や収益、設備投資額といった事業計画
の実績、予測値など、企業活動全般にわたる項目について調査しています。
短観は海外でも"TANKAN"の名称で広く知られているようです。
この調査の中でも多くの人々が最も注目しているのが、「業況判断DI」です。
これは、前期に比べ今期(足元)の業況が、あるいは、今期(足元)に比べて
今後の業況が、「良い」と答えた企業数から「悪い」と答えた企業数を差し引
き、これをパーセンテージで数値化したものと言えばわかりやすいと思います。
その中でも大企業製造業の業況判断DIが最もよく取り上げられますが、大企
業全産業、中小企業の数字も重要視されています。
この調査の概要については、こちらに出ています。↓
http://y.bmd.jp/bm/p/aa/fw.php?d=70&i=matsuda_seisaku&c=250&n=XXXX
最新のものとして、この7月2日に6月調査が発表されています。↓
http://y.bmd.jp/bm/p/aa/fw.php?d=70&i=matsuda_seisaku&c=251&n=XXXX
この6月調査の短観では、大企業製造業の景況感が5年半ぶりに2四半期連続で
悪化しています。足元の景況感悪化の背景としては、報道で指摘されたのは、
第一に、原材料費や人件費の上昇を多くの企業が販売価格に十分に転嫁できて
いないことです。小売業界ではネット販売が台頭していることも、価格転嫁を
難しくしているようです。ただ、非製造の中小企業では、人件費の上昇で値上
げに踏み切るケースが増えてきているようです。
第二に、米中間で激しくなっている貿易摩擦が先行きの懸念材料になっている
ことです。「貿易戦争」が景況感にも反映されています。これによって足元で
は、世界各国で株価が下がっている通りです。
業況感が悪化した一方で、2018年度の設備投資計画は強気であることが示され
ました。なかでも大企業は、全産業で前年比13.6%と、6月時点の調査として
は統計が残る1983年度以降で最大の伸びとなっています。これを見る限り、景
気拡大のメカニズムは維持されており、生産性を高めるための省力化投資でコ
スト高を吸収している企業の姿が示されています。
・松田政策研究所 YouTubeページ
http://y.bmd.jp/bm/p/aa/fw.php?d=70&i=matsuda_seisaku&c=252&n=XXXX
・松田学 公式ホームページはこちら
http://y.bmd.jp/bm/p/aa/fw.php?d=70&i=matsuda_seisaku&c=253&n=XXXX
・松田学 公式ブログはこちら
http://y.bmd.jp/bm/p/aa/fw.php?d=70&i=matsuda_seisaku&c=254&n=XXXX
・松田政策研究所 フェイスブックはこちら
http://y.bmd.jp/bm/p/aa/fw.php?d=70&i=matsuda_seisaku&c=255&n=XXXX
*********************
出演番組・イベント等
*********************
・「新政界往来」誌7月号 松田学寄稿
「-日本新秩序へー松田まなぶの国力倍増論
-第14回『もりかけ騒動と財務省改革を考える視点』」
まだ7月号の記事はアップされていませんが、記事全文が載るURLはこちらです。
↓↓↓
http://y.bmd.jp/bm/p/aa/fw.php?d=70&i=matsuda_seisaku&c=256&n=XXXX
上記URL掲載内容は現時点では前号4月号ですが、そこでは松田学が日本
維新の会の下地幹郎・政調会長(衆議院議員)と行ったインタビュー形式
の対談が掲載されています。
↓↓↓
http://y.bmd.jp/bm/p/aa/fw.php?d=70&i=matsuda_seisaku&c=257&n=XXXX
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
3. 松田学 政策発信
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
*ここでは松田学の過去の政策提言や国会・政治社会・経済・文化等の
アーカイブを中心に案内して参ります。
もちろん最新の松田学の提言や国会に関する分析などもUPして参ります。
*<2018年7月1日ブログエントリー>
【試論・松田プラン】その9
なぜ、答えは政府発行の暗号通貨なのか~財政再建の秘策~松田学の論考
すでに永久国債オペを含む「松田プラン」については、このブログでも何度も
論じてきましたが、その出口は政府暗号通貨の発行であるということについて、
特に仮想通貨という新しく出現した世界に馴染みの薄い方には分かりにくい点
もあろうかと思います。さらに少し、深堀りをしてみたいと思います。
続きはこちらから
↓↓↓
http://y.bmd.jp/bm/p/aa/fw.php?d=70&i=matsuda_seisaku&c=258&n=XXXX
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
4. 編集後記
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
昨年7月、福岡県朝倉市中心に九州北部豪雨がありました。記録的な大雨によ
り多くの方が亡くなったことを記憶している方もおられるでしょう。
今年も同じ7月四国・中国地方を中心とした大雨により100名以上の犠牲者が
出てしまいました。犠牲になられた方々にはお悔やみ申し上げます。
豪雨は確かに大災害ですが地震と違って時間的な準備や避難情報の周知の時間
はあるはずです。地域の危機管理においてその責任を担うのは各自治体の首長
に他なりません。同じような災害被害が繰り返される中、全国の自治体の危機
管理体制がどうなっているのか、業務継続計画を含めた見直し作業が急務と言
るのではないでしょうか。
松田学通信編集部
∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽
松田学通信にお心当たりのない方、解除、その他メールマガジンに関する
お問合せは、松田政策研究所までご連絡ください。
E-mail:matsuda@yd-con.com
■□■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【発行元】松田政策研究所
〒107-0052 東京都港区赤坂9-1-7-472 TEL:03-6434-7354 FAX:03-64347356
□URL. http://matsuda-manabu.jp/ □E-mail. matsuda@yd-con.com
□FB. http://y.bmd.jp/bm/p/aa/fw.php?d=70&i=matsuda_seisaku&c=259&n=XXXX
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Copyright (c) 2018 Manabu Matsuda. All Rights Reserved.
※メール転送自由。掲載内容の転載・転用は事務局までご一報ください。
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1. コラム
安倍総理のリーダーシップとトランプの「合成の誤謬」
2. 活動報告/セミナー情報
〇松田政策研究所 第17回YouTube動画紹介
・『永久国債』紹介編
http://y.bmd.jp/bm/p/aa/fw.php?d=70&i=matsuda_seisaku&c=248&n=XXXX
・今後の動画配信予定
〇各情報発信ツール紹介
・経済を見る!松田政策研究所(松田学)がお勧めする計数等情報
〇日本経済の景況感について足元の状況や短期の見通しを示す指標…「日銀短観」
*出演番組・イベント・寄稿等
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「-日本新秩序へー松田まなぶの国力倍増論
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3. 松田学 政策発信
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【試論・松田プラン】その9
なぜ、答えは政府発行の暗号通貨なのか~財政再建の秘策~松田学の論考
4. 編集後記
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
1. 松田学 コラム
安倍総理のリーダーシップとトランプの「合成の誤謬」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
最近、安倍総理の側近の方々からよく耳にしますが、G7などの国際会議の場
では、トランプも欧州首脳も困ったときは「シンゾウ、どう思う?」。ここで
安倍総理が表明する意見へと、結論が収斂するパターンが多くなっているよう
です。「ハチャメチャ」なトランプ大統領を前に、いまや米国や欧州に代わっ
て国際社会をリードしている国は日本なのか…。
これは日本の歴史始まって以来の快挙かもしれません。国内では「もりかけ」、
「一強」などと足を引っ張られる安倍総理ですが、安倍氏への好き嫌いを超え
て、とにかく今は政権基盤が安定してもらうこと自体が国益、日本のチャンス
であるのは事実だといえます。
米欧間の貿易摩擦では、ハーレーダビッドソンが海外への移転を表明しました
が、これはトランプの「一国主義」が実は、米国一国の利益にならないことを
象徴するものです。トランプは「海外に奪われた富や雇用を国内に取り戻す」
ことを掲げて当選した大統領ですが、それをめざすなら、同じく公約で掲げた
「保護」も、一連の制裁措置も逆効果。外国から報復を招くという政治的な問
題だけではありません。経済のメカニズムは冷徹です。
「合成の誤謬」という言葉があります。これは、ミクロでは合理的にみえる行
動が、マクロでは、その意図とは逆の結果をもたらすという教えです。
経済学の教科書によく出てくるのは、家計が自らの貯金を増やしたいと思って
消費を抑える→多くの家計がそうすることで経済全体では不景気となって企業
の売上げが減る→企業は賃金を抑える→結局、自らの家計所得が減って、増や
そうとしたはずの貯金が減る、という現象です。
経済のどの部門もそうです。企業なら、自社の利潤を増やそうとしてリストラ
で人件費を抑制する→多くの企業がこれをすると経済全体で雇用者所得や個人
消費が減る→不景気になって自社の利潤も減る。国であれば、財政赤字を減ら
すために増税か社会保障費の削減をする→経済が不景気になって税収が減る→
財政赤字がかえって拡大することがある。
では、一国経済全体でみた海外部門の場合はどうでしょうか。貿易赤字を減ら
したい→関税などで輸入を減らす→外国の雇用や所得が減る→自国製品への外
国からの需要が減る→輸出が減る→(1)自国の貿易赤字が拡大する。また、国
内の雇用確保のために関税を引き上げる→より高いものを買わされることで、
(2)国内の消費者の実質所得が減る、と同時に、海外からの部品などの投入財
価格が上がることで工場が海外に移転し、(3)国内雇用が減る。
(1)も(2)も(3)も、来たる中間選挙でトランプ側を不利にする要因になるでしょう。
日本にも昔、「黒字有用論」という、やや間違った議論がありましたが、黒字
は富でも儲けでもありません。それは、各企業が日々行っている輸出と輸入を
一国全体で合計して差分をとった統計上の数字に過ぎず、「輸出超過」という
言い方が正確です。外貨準備がたまっても、その多くは貿易赤字国である米国
の国債に運用され、おカネの形で米国に還元されます。米国は世界からモノと
カネを吸引して豊かさを享受している国。それは米ドル基軸通貨体制の特権です。
むしろ米国には、経常収支の赤字で海外に米ドルを供給することで世界経済を
回し、自国の繁栄につなげるという循環パターンを主宰する基軸通貨国として
の責務があります。それこそが、トランプが取り戻すとしている「偉大なる米国」。
貿易赤字を「ロス」=損失と表現するトランプは、あたかも輸出=売上げ、
輸入=経費、として企業経営と国家運営とを混同する初歩的なミスをおかして
いますが、もしわかった上で言っているなら、より罪深いでしょう。
それはまるで外貨準備が不足している小国の発想。偉大なる米国の自己否定です。
7月6日には米中の間でいよいよ本物の貿易「戦争」が始まりましたが、中国の
対米黒字の多くを占め、それで利益をあげているのも米国企業。
合成の誤謬で選挙に負けないようにと、「シンゾウ」の説得力に期待したいものです。
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2. 活動報告/セミナー情報
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の未来に関する国家像や社会の在り様について政治・経済・社会・文化・歴史・
及び国際関係・科学技術・財政金融・危機管理・安全保障に至るまで、幅広い
テーマについて松田学を中心とした講師・研究員がお届けする日本人がこれか
ら身に着けるべきインテリジェンス(知恵・知識・教養・諜報・情報)を他に
はない”リアリズム視点”の動画でお届けする。
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『永久国債』 紹介編
http://y.bmd.jp/bm/p/aa/fw.php?d=70&i=matsuda_seisaku&c=249&n=XXXX
*次回 『財政運営の松田プラン』紹介編 です。
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・『三層構造財源システム』
・『消費税』
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・『消費税』
◆紹介編に続きテーマごとの本編開始予定◆
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〇日本経済の景況感について足元の状況や短期の見通しを示す指標…「日銀短観」
日本銀行が四半期ごとに実施、発表している調査で、短観は「タンカン」と読
みます。正式名称は「全国企業短期経済観測調査」です。全国の企業動向を的
確に把握し、金融政策の適切な運営に資することを目的としています。
4月、7月、10月、1月のそれぞれ月初に、前月に行った調査をとりまとめて日銀
から発表されています
約1万社の企業を対象とするアンケート調査ですので、企業が自社の業況や経
済環境の現状・先行きについてどうみているかといった項目から景況感を把握
する
上で役立ちます。これらに加え、売上高や収益、設備投資額といった事業計画
の実績、予測値など、企業活動全般にわたる項目について調査しています。
短観は海外でも"TANKAN"の名称で広く知られているようです。
この調査の中でも多くの人々が最も注目しているのが、「業況判断DI」です。
これは、前期に比べ今期(足元)の業況が、あるいは、今期(足元)に比べて
今後の業況が、「良い」と答えた企業数から「悪い」と答えた企業数を差し引
き、これをパーセンテージで数値化したものと言えばわかりやすいと思います。
その中でも大企業製造業の業況判断DIが最もよく取り上げられますが、大企
業全産業、中小企業の数字も重要視されています。
この調査の概要については、こちらに出ています。↓
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最新のものとして、この7月2日に6月調査が発表されています。↓
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この6月調査の短観では、大企業製造業の景況感が5年半ぶりに2四半期連続で
悪化しています。足元の景況感悪化の背景としては、報道で指摘されたのは、
第一に、原材料費や人件費の上昇を多くの企業が販売価格に十分に転嫁できて
いないことです。小売業界ではネット販売が台頭していることも、価格転嫁を
難しくしているようです。ただ、非製造の中小企業では、人件費の上昇で値上
げに踏み切るケースが増えてきているようです。
第二に、米中間で激しくなっている貿易摩擦が先行きの懸念材料になっている
ことです。「貿易戦争」が景況感にも反映されています。これによって足元で
は、世界各国で株価が下がっている通りです。
業況感が悪化した一方で、2018年度の設備投資計画は強気であることが示され
ました。なかでも大企業は、全産業で前年比13.6%と、6月時点の調査として
は統計が残る1983年度以降で最大の伸びとなっています。これを見る限り、景
気拡大のメカニズムは維持されており、生産性を高めるための省力化投資でコ
スト高を吸収している企業の姿が示されています。
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まだ7月号の記事はアップされていませんが、記事全文が載るURLはこちらです。
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上記URL掲載内容は現時点では前号4月号ですが、そこでは松田学が日本
維新の会の下地幹郎・政調会長(衆議院議員)と行ったインタビュー形式
の対談が掲載されています。
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3. 松田学 政策発信
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*ここでは松田学の過去の政策提言や国会・政治社会・経済・文化等の
アーカイブを中心に案内して参ります。
もちろん最新の松田学の提言や国会に関する分析などもUPして参ります。
*<2018年7月1日ブログエントリー>
【試論・松田プラン】その9
なぜ、答えは政府発行の暗号通貨なのか~財政再建の秘策~松田学の論考
すでに永久国債オペを含む「松田プラン」については、このブログでも何度も
論じてきましたが、その出口は政府暗号通貨の発行であるということについて、
特に仮想通貨という新しく出現した世界に馴染みの薄い方には分かりにくい点
もあろうかと思います。さらに少し、深堀りをしてみたいと思います。
続きはこちらから
↓↓↓
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4. 編集後記
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
昨年7月、福岡県朝倉市中心に九州北部豪雨がありました。記録的な大雨によ
り多くの方が亡くなったことを記憶している方もおられるでしょう。
今年も同じ7月四国・中国地方を中心とした大雨により100名以上の犠牲者が
出てしまいました。犠牲になられた方々にはお悔やみ申し上げます。
豪雨は確かに大災害ですが地震と違って時間的な準備や避難情報の周知の時間
はあるはずです。地域の危機管理においてその責任を担うのは各自治体の首長
に他なりません。同じような災害被害が繰り返される中、全国の自治体の危機
管理体制がどうなっているのか、業務継続計画を含めた見直し作業が急務と言
るのではないでしょうか。
松田学通信編集部
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お問合せは、松田政策研究所までご連絡ください。
E-mail:matsuda@yd-con.com
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【発行元】松田政策研究所
〒107-0052 東京都港区赤坂9-1-7-472 TEL:03-6434-7354 FAX:03-64347356
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