平壌にトランプタワーが建つ日?~ディールの時代の処世術~ 松田学 通信 vol.17 2018.06.18
2018/06/18 (Mon) 08:30
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松田学通信 vol.17 2018.06.18
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1. コラム
平壌にトランプタワーが建つ日?~ディールの時代の処世術~
2. 活動報告/セミナー情報
〇松田政策研究所 第14回YouTube動画紹介
・『トランプ誕生と日本のチャンス』 紹介編
http://y.bmd.jp/bm/p/aa/fw.php?d=70&i=matsuda_seisaku&c=216&n=XXXX
・今後の動画配信予定
〇各情報発信ツール紹介
NEW・経済を見る!松田政策研究所(松田学)がお勧めする計数等情報
〇政府の経済運営
*出演番組・イベント・寄稿等
・「ニホンのナカミ」準レギュラーとして出演
6月24日(日) ラジオ番組 FM FUJI「ニホンのナカミ」に出演
松田学の新著出版!
~「サイバーセキュリティと仮想通貨が日本を救う」について~
「ニホンのナカミ」↓
http://y.bmd.jp/bm/p/aa/fw.php?d=70&i=matsuda_seisaku&c=217&n=XXXX
3. 松田学 政策発信
<2017年8月20日ブログエントリー>*過去のアーカイブをご紹介します*
サイバーセキュリティ世界大会に参加~増大する脅威への対処
~松田学のラスベガス報告~
4. 編集後記
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
1. 松田学 コラム
平壌にトランプタワーが建つ日?~ディールの時代の処世術~
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
トランプが金正恩と「意気投合した」6月12日の歴史的な米朝首脳会談も、専
門家の間では必ずしも評判が良くないようです。合意された声明は、これまで
の北朝鮮の核問題に関する声明と比べても弱い内容だ、会談成功のメルクマー
ルとされてきた核廃棄のCVIDについては、その期限も方法についても明確な合
意無し、トランプよりも金正恩がより多くを得た北朝鮮ペースの結果だった、
…と。かたや、米国世論の受け止めは上々で、トランプはまさに中間選挙対策
という目先の成果に走ったとの見方もあります。
ただ、最近の貿易問題についての米国の暴挙にも見られるように、国際社会は
「ルールからディールへ」と、時代が変わったと言われます。何事にも表と裏
がありますが、ディールの世界で大事なのは表の合意文書よりも、裏取引のほ
うかもしれません。
トランプのディールの裏側には、米国の圧倒的な軍事技術があるように思います。
そもそも半年前に金正恩が態度を180度転換したのは、最先端の科学技術に裏
付けられた強大な米国軍事力への恐怖からでした。かつて湾岸戦争の際にスタ
ーウォーズにも擬せられた米国の軍事技術はその後、想像を超えてさらに格段
と進歩しており、北朝鮮を数時間で壊滅させられるとも言われます。だとすれ
ば、CVIDも同じこと。
IAEAの査察に頼る必要はなく、米国の今の軍事技術をもってすれば完全に検証
可能なのかもしれません。もし、四半世紀にわたって交渉相手を騙し続けてき
たのと同じことを北朝鮮がすれば、今度こそ「炎と怒り」が待っている。科学
技術の進歩は外交や安全保障の枠組みまで変えてしまいます。
そうなると大事なのは、金正恩の立場を強めてあげて、今回の会談から帰国し
た彼がリーダーシップをとって、現実には長い年月がかかる、国内政治的にも
大変なCVIDという難事業を完遂できるようサポートすること。
CVIDでギリギリ追い詰めるより、彼に花を持たせたほうが得策。表向きは米韓
軍事演習を停止し、将来の在韓米軍の縮小・撤収をも示唆し、北朝鮮が繁栄す
る明るい未来像をプロモーションビデオで見せる…、北朝鮮を親米国へと導く
演出が満載の会談でした。表で譲り、裏で実を取る。
本質が表には現れないのがディール。現実には、金正恩はCVIDに向けてがんじ
がらめ。そして非核化が実現した暁には、平壌にトランプタワーが建ち、マク
ドナルドが進出し、成長の果実の一部はトランプの懐に…。トランプ流のビジ
ネスディールの面目躍如ということかもしれません。
ただ、そこに至る前段階で必要な経済的裏付けとなると、米国はカネは出さず、
ここからは友人であるシンゾウの役割と言わんばかりに、いつの間にか日本は、
北朝鮮への経済支援を担う役割へと追い込まれているようです。拉致問題が解
決していないのに、日本の納税者には到底受け容れられないでしょう。いかな
るソリューションがあり得るのか、日本こそ、これからディール能力が問われ
る正念場です。
米国の軍事力がそうであるように、ディールで大事なのは圧倒的に強い取引材
料を持つこと。しかし、日本の場合、軍事力でなければ経済力だとしても、財
政事情は先進国で最悪。ODA予算もピーク時の半分です。
今回、基礎的財政収支の達成目標を2025年度まで先送りすることが骨太の方針
で決まりましたが、消費税率引上げを政治的に先送りし続けたことで、超高齢
化で膨らむ社会保障費に財源を奪われ続け、他のことには、もはや先進国で最
も「無い袖は振れない」状態の政府なのが日本です。ディールで得るべき成果
は拉致問題の解決だけではありません。北朝鮮はレアアース(希土類)が世界の
確認埋蔵量の2倍以上とされるほどの資源国。
このディールの時代にあって、目先の選挙のことばかりを考えてはいけないの
は日本のほうかもしれません。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
2. 活動報告/セミナー情報
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
***松田政策研究所 YouTube動画配信開始***
松田政策研究所動画コンテンツ
↓↓↓
松田政策研究所動画コンセプト⇒松田学が研究・実践してきたこれからの日本
の未来に関する国家像や社会の在り様について政治・経済・社会・文化・歴史・
及び国際関係・科学技術・財政金融・危機管理・安全保障に至るまで、幅広い
テーマについて松田学を中心とした講師・研究員がお届けする日本人がこれか
ら身に着けるべきインテリジェンス(知恵・知識・教養・諜報・情報)を他に
はない”リアリズム視点”の動画でお届けする。
*********************
第14回≪動画紹介≫
『トランプ誕生と日本のチャンス』 紹介編
http://y.bmd.jp/bm/p/aa/fw.php?d=70&i=matsuda_seisaku&c=218&n=XXXX
*次回 『デフレの原因』です。
*********************
<今後の動画配信予定>
・『財政は破綻しない』
・『消費税』
・『永久国債』
・『財政運営の松田プラン』
◆紹介編に続きテーマごとの本編開始予定◆
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各情報発信ツール紹介
===============================================
・NEW 経済を見る!松田政策研究所(松田学)がお勧めする計数等情報
松田学がよく使う統計指標を中心に今後少しずつ解説を入れてご紹介して参ります。
ご期待ください。(今後ホームページにも掲載予定)
〇政府の経済運営
初回である今回は、最初ですので、まず、日本政府の経済運営全体を知るには、
どこを見ればよいのかについて、ご紹介いたします。
政府はこのたび、2018年6月15日に、「骨太の方針」(経済財政運営と改革の基
本方針2018)を閣議決定しました。この「骨太の方針2018」は、国と地方の基
礎的財政収支(プライマリーバランス)を黒字化する目標時期を2020年度から
2025年度へと5年先送りするなどを内容とする財政健全化計画、消費増税による
消費の反動減を和らげるための対策、外国人の就労への新資格制度の導入、幼
児教育無償化やリカレント教育など「人づくり革命」の具体的な内容などを盛
り込んだものです。
ここには政府の財政運営やアベノミクス「第三の矢」の成長政策などについて、
最新時点の政策スタンスを示すものとして注目され、報道でも大きく取り上げ
られています。
この閣議決定の前に、経済財政諮問会議が開催され、その案が審議されました。
「骨太の方針」や、同時に決定された「未来投資戦略」について、その趣旨な
どが説明、議論されるのも、この場です。
日本では近年、経済政策についての国の司令塔は「経済財政諮問会議」です。
そこでは総理大臣以下、経済関係閣僚や日銀総裁、民間有識者たちが経済全体
についての議論を交わします。経済政策に関して政府には色々な会議や委員会
などがありますが、その頂点に位置するのがこの会議です。議事要旨が公開さ
れていますので、それを読むことは、経済政策の動向をつかむ上で重要な作業
になります。
実際の会議から議事要旨の掲載までは少し日数がかかりますが、大臣の記者会
見は、即日、掲載されています。
↓↓↓
http://y.bmd.jp/bm/p/aa/fw.php?d=70&i=matsuda_seisaku&c=219&n=XXXX
・松田政策研究所 YouTubeページ
http://y.bmd.jp/bm/p/aa/fw.php?d=70&i=matsuda_seisaku&c=220&n=XXXX
・松田学 公式ホームページはこちら
http://y.bmd.jp/bm/p/aa/fw.php?d=70&i=matsuda_seisaku&c=221&n=XXXX
・松田学 公式ブログはこちら
http://y.bmd.jp/bm/p/aa/fw.php?d=70&i=matsuda_seisaku&c=222&n=XXXX
・松田政策研究所 フェイスブックはこちら
http://y.bmd.jp/bm/p/aa/fw.php?d=70&i=matsuda_seisaku&c=223&n=XXXX
*********************
出演番組・イベント等
*********************
・ラジオ番組「ニホンのナカミ」準レギュラーとして出演
6月24日(日) ラジオ番組 FM FUJI「ニホンのナカミ」に出演
書籍出版!~「仮想通貨とサイバーセキュリティに関する本」について~
竹田恒泰さんと吉木誉絵さんがDJをされているラジオ番組「ニホンのナカミ」
に準レギュラー(月1回)として出演しています。前回5月27日(日)の放送では、
サイバーセキュリティの新たなシステム開発に取り組む「ジュピタープロジェ
クト」のリーダーである松田学が、このプロジェクトの意味や、仮想通貨のあ
り方に関して語りました。
今回6月24日の放送では、いよいよ松田学が自ら取り組むサイバーセキュリティ
の全体像と真の課題を世に問う新著について、その内容などを予告編として解
説しています。本のタイトルは、「サイバーセキュリティと仮想通貨が日本を
救う」で調整中、創芸社からの出版となります。
この本では、科学技術の急速な進歩が私たちの近未来にもたらすことになる
「第四の波」(かつてアルビン・トフラーが情報革命として唱えた「第三の波」
に続く、人類社会の次なるステージ)や、未来社会の番人としてのサイバーセ
キュリティの位置づけ、さらには、仮想通貨とは何なのか、それが私たちの社
会をどのように変えていくのか、など、幅広い視点から松田学が構想する
「未来」を描いています。
仮想通貨が暗号通貨として完成度を高めていけば、そこには多種多様な暗号通
貨のグローバル市場が生まれ、資本主義と併存するもう一つの新たなパラダイ
ムへと、社会のあり方を変革していくでしょう。
それだけではありません。本書は、永久国債の活用と政府暗号通貨の導入を組
み合わせた「松田プラン」を、日本の財政再建の究極の方策として、書籍とし
ては本邦初公開するものです。
まずは、ラジオをお聴きください。
次の日時でそれぞれの放送局から放送予定です。
FM FUJI JOCV-FM (78.6kHz) 2018年6月24日 (日) 8:30~8:58OA
JRT四国放送(1269kHz) 2018年6月30日 (土) 6:15~6:30OA
MBC南日本放送 JOCF(1107kHz) 2018年6月24日 (日) 25:00~25:30OA
IBS茨城放送 JOYF(1197kHz) 2018年6月26日 (火) 19:00~19:30OA
エフエム立川 (84.4mHz) 2018年6月24日 (日) 21:00~21:30OA
岐阜放送JOZF (1431kHz) 2018年6月24日 (日) 17:25 ~17:40OA
「ニホンのナカミ」↓
http://y.bmd.jp/bm/p/aa/fw.php?d=70&i=matsuda_seisaku&c=224&n=XXXX
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3. 松田学 政策発信
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
*ここでは松田学の過去の政策提言や国会・政治社会・経済・文化等の
アーカイブを中心に案内して参ります。
もちろん最新の松田学の提言や国会に関する分析などもUPして参ります。
<2017年8月20日ブログエントリー>*過去のアーカイブをご紹介します
サイバーセキュリティ世界大会に参加~増大する脅威への対処
~松田学のラスベガス報告~
東大Sisoc「松田学サイバー部会」では、「社会システムの視点から捉えたサイ
バーセキュリティ」を研究、議論しています。ややもすれば技術面での個別対
策に偏りがちな日本のサイバーセキュリティを真に実効あらしめるためには、
技術面を超えた多角的観点からの対策が不可欠だとされています。
そこで、サイバーセキュリティを国家を支えるさまざまな基盤的「社会システ
ム」の一つとして捉え、総合的な見地から、これを「設計」することを基本的
考え方とする研究を始めることといたしました。
続きはこちらから
↓↓↓
http://y.bmd.jp/bm/p/aa/fw.php?d=70&i=matsuda_seisaku&c=225&n=XXXX
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4. 編集後記
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いよいよ4年に一度のサッカーの祭典、ワールドカップが始まりました。
ワールドカップは各国の威信をかけた「武器を持たない戦争」と言われるほど
盛り上がります。これだけの大きな大会はテロの格好の標的にもなります。
今回はロシアでの開催、2020年の東京オリンピックでのテロ対策にも参考に
したいものです。
ともあれ、日本代表も出場します。今大会前に監督交代などごたごたもあって
前評判はよくはない日本代表ですがぜひその前評判を覆す活躍を期待したいも
のです。
松田学通信編集部
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松田学通信にお心当たりのない方、解除、その他メールマガジンに関する
お問合せは、松田政策研究所までご連絡ください。
E-mail:matsuda@yd-con.com
■□■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【発行元】松田政策研究所
〒107-0052 東京都港区赤坂9-1-7-472 TEL:03-6434-7354 FAX:03-64347356
□URL. http://matsuda-manabu.jp/ □E-mail. matsuda@yd-con.com
□FB. http://y.bmd.jp/bm/p/aa/fw.php?d=70&i=matsuda_seisaku&c=226&n=XXXX
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Copyright (c) 2018 Manabu Matsuda. All Rights Reserved.
※メール転送自由。掲載内容の転載・転用は事務局までご一報ください。
松田学通信 vol.17 2018.06.18
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1. コラム
平壌にトランプタワーが建つ日?~ディールの時代の処世術~
2. 活動報告/セミナー情報
〇松田政策研究所 第14回YouTube動画紹介
・『トランプ誕生と日本のチャンス』 紹介編
http://y.bmd.jp/bm/p/aa/fw.php?d=70&i=matsuda_seisaku&c=216&n=XXXX
・今後の動画配信予定
〇各情報発信ツール紹介
NEW・経済を見る!松田政策研究所(松田学)がお勧めする計数等情報
〇政府の経済運営
*出演番組・イベント・寄稿等
・「ニホンのナカミ」準レギュラーとして出演
6月24日(日) ラジオ番組 FM FUJI「ニホンのナカミ」に出演
松田学の新著出版!
~「サイバーセキュリティと仮想通貨が日本を救う」について~
「ニホンのナカミ」↓
http://y.bmd.jp/bm/p/aa/fw.php?d=70&i=matsuda_seisaku&c=217&n=XXXX
3. 松田学 政策発信
<2017年8月20日ブログエントリー>*過去のアーカイブをご紹介します*
サイバーセキュリティ世界大会に参加~増大する脅威への対処
~松田学のラスベガス報告~
4. 編集後記
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1. 松田学 コラム
平壌にトランプタワーが建つ日?~ディールの時代の処世術~
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トランプが金正恩と「意気投合した」6月12日の歴史的な米朝首脳会談も、専
門家の間では必ずしも評判が良くないようです。合意された声明は、これまで
の北朝鮮の核問題に関する声明と比べても弱い内容だ、会談成功のメルクマー
ルとされてきた核廃棄のCVIDについては、その期限も方法についても明確な合
意無し、トランプよりも金正恩がより多くを得た北朝鮮ペースの結果だった、
…と。かたや、米国世論の受け止めは上々で、トランプはまさに中間選挙対策
という目先の成果に走ったとの見方もあります。
ただ、最近の貿易問題についての米国の暴挙にも見られるように、国際社会は
「ルールからディールへ」と、時代が変わったと言われます。何事にも表と裏
がありますが、ディールの世界で大事なのは表の合意文書よりも、裏取引のほ
うかもしれません。
トランプのディールの裏側には、米国の圧倒的な軍事技術があるように思います。
そもそも半年前に金正恩が態度を180度転換したのは、最先端の科学技術に裏
付けられた強大な米国軍事力への恐怖からでした。かつて湾岸戦争の際にスタ
ーウォーズにも擬せられた米国の軍事技術はその後、想像を超えてさらに格段
と進歩しており、北朝鮮を数時間で壊滅させられるとも言われます。だとすれ
ば、CVIDも同じこと。
IAEAの査察に頼る必要はなく、米国の今の軍事技術をもってすれば完全に検証
可能なのかもしれません。もし、四半世紀にわたって交渉相手を騙し続けてき
たのと同じことを北朝鮮がすれば、今度こそ「炎と怒り」が待っている。科学
技術の進歩は外交や安全保障の枠組みまで変えてしまいます。
そうなると大事なのは、金正恩の立場を強めてあげて、今回の会談から帰国し
た彼がリーダーシップをとって、現実には長い年月がかかる、国内政治的にも
大変なCVIDという難事業を完遂できるようサポートすること。
CVIDでギリギリ追い詰めるより、彼に花を持たせたほうが得策。表向きは米韓
軍事演習を停止し、将来の在韓米軍の縮小・撤収をも示唆し、北朝鮮が繁栄す
る明るい未来像をプロモーションビデオで見せる…、北朝鮮を親米国へと導く
演出が満載の会談でした。表で譲り、裏で実を取る。
本質が表には現れないのがディール。現実には、金正恩はCVIDに向けてがんじ
がらめ。そして非核化が実現した暁には、平壌にトランプタワーが建ち、マク
ドナルドが進出し、成長の果実の一部はトランプの懐に…。トランプ流のビジ
ネスディールの面目躍如ということかもしれません。
ただ、そこに至る前段階で必要な経済的裏付けとなると、米国はカネは出さず、
ここからは友人であるシンゾウの役割と言わんばかりに、いつの間にか日本は、
北朝鮮への経済支援を担う役割へと追い込まれているようです。拉致問題が解
決していないのに、日本の納税者には到底受け容れられないでしょう。いかな
るソリューションがあり得るのか、日本こそ、これからディール能力が問われ
る正念場です。
米国の軍事力がそうであるように、ディールで大事なのは圧倒的に強い取引材
料を持つこと。しかし、日本の場合、軍事力でなければ経済力だとしても、財
政事情は先進国で最悪。ODA予算もピーク時の半分です。
今回、基礎的財政収支の達成目標を2025年度まで先送りすることが骨太の方針
で決まりましたが、消費税率引上げを政治的に先送りし続けたことで、超高齢
化で膨らむ社会保障費に財源を奪われ続け、他のことには、もはや先進国で最
も「無い袖は振れない」状態の政府なのが日本です。ディールで得るべき成果
は拉致問題の解決だけではありません。北朝鮮はレアアース(希土類)が世界の
確認埋蔵量の2倍以上とされるほどの資源国。
このディールの時代にあって、目先の選挙のことばかりを考えてはいけないの
は日本のほうかもしれません。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
2. 活動報告/セミナー情報
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
***松田政策研究所 YouTube動画配信開始***
松田政策研究所動画コンテンツ
↓↓↓
松田政策研究所動画コンセプト⇒松田学が研究・実践してきたこれからの日本
の未来に関する国家像や社会の在り様について政治・経済・社会・文化・歴史・
及び国際関係・科学技術・財政金融・危機管理・安全保障に至るまで、幅広い
テーマについて松田学を中心とした講師・研究員がお届けする日本人がこれか
ら身に着けるべきインテリジェンス(知恵・知識・教養・諜報・情報)を他に
はない”リアリズム視点”の動画でお届けする。
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『トランプ誕生と日本のチャンス』 紹介編
http://y.bmd.jp/bm/p/aa/fw.php?d=70&i=matsuda_seisaku&c=218&n=XXXX
*次回 『デフレの原因』です。
*********************
<今後の動画配信予定>
・『財政は破綻しない』
・『消費税』
・『永久国債』
・『財政運営の松田プラン』
◆紹介編に続きテーマごとの本編開始予定◆
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松田学がよく使う統計指標を中心に今後少しずつ解説を入れてご紹介して参ります。
ご期待ください。(今後ホームページにも掲載予定)
〇政府の経済運営
初回である今回は、最初ですので、まず、日本政府の経済運営全体を知るには、
どこを見ればよいのかについて、ご紹介いたします。
政府はこのたび、2018年6月15日に、「骨太の方針」(経済財政運営と改革の基
本方針2018)を閣議決定しました。この「骨太の方針2018」は、国と地方の基
礎的財政収支(プライマリーバランス)を黒字化する目標時期を2020年度から
2025年度へと5年先送りするなどを内容とする財政健全化計画、消費増税による
消費の反動減を和らげるための対策、外国人の就労への新資格制度の導入、幼
児教育無償化やリカレント教育など「人づくり革命」の具体的な内容などを盛
り込んだものです。
ここには政府の財政運営やアベノミクス「第三の矢」の成長政策などについて、
最新時点の政策スタンスを示すものとして注目され、報道でも大きく取り上げ
られています。
この閣議決定の前に、経済財政諮問会議が開催され、その案が審議されました。
「骨太の方針」や、同時に決定された「未来投資戦略」について、その趣旨な
どが説明、議論されるのも、この場です。
日本では近年、経済政策についての国の司令塔は「経済財政諮問会議」です。
そこでは総理大臣以下、経済関係閣僚や日銀総裁、民間有識者たちが経済全体
についての議論を交わします。経済政策に関して政府には色々な会議や委員会
などがありますが、その頂点に位置するのがこの会議です。議事要旨が公開さ
れていますので、それを読むことは、経済政策の動向をつかむ上で重要な作業
になります。
実際の会議から議事要旨の掲載までは少し日数がかかりますが、大臣の記者会
見は、即日、掲載されています。
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・松田政策研究所 YouTubeページ
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・松田学 公式ブログはこちら
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・松田政策研究所 フェイスブックはこちら
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出演番組・イベント等
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・ラジオ番組「ニホンのナカミ」準レギュラーとして出演
6月24日(日) ラジオ番組 FM FUJI「ニホンのナカミ」に出演
書籍出版!~「仮想通貨とサイバーセキュリティに関する本」について~
竹田恒泰さんと吉木誉絵さんがDJをされているラジオ番組「ニホンのナカミ」
に準レギュラー(月1回)として出演しています。前回5月27日(日)の放送では、
サイバーセキュリティの新たなシステム開発に取り組む「ジュピタープロジェ
クト」のリーダーである松田学が、このプロジェクトの意味や、仮想通貨のあ
り方に関して語りました。
今回6月24日の放送では、いよいよ松田学が自ら取り組むサイバーセキュリティ
の全体像と真の課題を世に問う新著について、その内容などを予告編として解
説しています。本のタイトルは、「サイバーセキュリティと仮想通貨が日本を
救う」で調整中、創芸社からの出版となります。
この本では、科学技術の急速な進歩が私たちの近未来にもたらすことになる
「第四の波」(かつてアルビン・トフラーが情報革命として唱えた「第三の波」
に続く、人類社会の次なるステージ)や、未来社会の番人としてのサイバーセ
キュリティの位置づけ、さらには、仮想通貨とは何なのか、それが私たちの社
会をどのように変えていくのか、など、幅広い視点から松田学が構想する
「未来」を描いています。
仮想通貨が暗号通貨として完成度を高めていけば、そこには多種多様な暗号通
貨のグローバル市場が生まれ、資本主義と併存するもう一つの新たなパラダイ
ムへと、社会のあり方を変革していくでしょう。
それだけではありません。本書は、永久国債の活用と政府暗号通貨の導入を組
み合わせた「松田プラン」を、日本の財政再建の究極の方策として、書籍とし
ては本邦初公開するものです。
まずは、ラジオをお聴きください。
次の日時でそれぞれの放送局から放送予定です。
FM FUJI JOCV-FM (78.6kHz) 2018年6月24日 (日) 8:30~8:58OA
JRT四国放送(1269kHz) 2018年6月30日 (土) 6:15~6:30OA
MBC南日本放送 JOCF(1107kHz) 2018年6月24日 (日) 25:00~25:30OA
IBS茨城放送 JOYF(1197kHz) 2018年6月26日 (火) 19:00~19:30OA
エフエム立川 (84.4mHz) 2018年6月24日 (日) 21:00~21:30OA
岐阜放送JOZF (1431kHz) 2018年6月24日 (日) 17:25 ~17:40OA
「ニホンのナカミ」↓
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3. 松田学 政策発信
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
*ここでは松田学の過去の政策提言や国会・政治社会・経済・文化等の
アーカイブを中心に案内して参ります。
もちろん最新の松田学の提言や国会に関する分析などもUPして参ります。
<2017年8月20日ブログエントリー>*過去のアーカイブをご紹介します
サイバーセキュリティ世界大会に参加~増大する脅威への対処
~松田学のラスベガス報告~
東大Sisoc「松田学サイバー部会」では、「社会システムの視点から捉えたサイ
バーセキュリティ」を研究、議論しています。ややもすれば技術面での個別対
策に偏りがちな日本のサイバーセキュリティを真に実効あらしめるためには、
技術面を超えた多角的観点からの対策が不可欠だとされています。
そこで、サイバーセキュリティを国家を支えるさまざまな基盤的「社会システ
ム」の一つとして捉え、総合的な見地から、これを「設計」することを基本的
考え方とする研究を始めることといたしました。
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4. 編集後記
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いよいよ4年に一度のサッカーの祭典、ワールドカップが始まりました。
ワールドカップは各国の威信をかけた「武器を持たない戦争」と言われるほど
盛り上がります。これだけの大きな大会はテロの格好の標的にもなります。
今回はロシアでの開催、2020年の東京オリンピックでのテロ対策にも参考に
したいものです。
ともあれ、日本代表も出場します。今大会前に監督交代などごたごたもあって
前評判はよくはない日本代表ですがぜひその前評判を覆す活躍を期待したいも
のです。
松田学通信編集部
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