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春秋社 メールマガジン【Vol.041】
    2022年 8月 1日配信
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 酷暑の季節がやってきました。冷房の効いた涼しい部屋で、本を片手にしっとりと音楽に耳を傾けてはいかがでしょうか。
 先月末から今月頭にかけて、小社から立て続けに音楽関係の翻訳書を3冊お送りしました。
 まずは 『マリス・ヤンソンス ――すべては音楽のために』。歴史あるコンセルトヘボウ管弦楽団やバイエルン放送交響楽団の首席指揮者として数多くの名演奏を遺したマリス・ヤンソンス。2019年12月に惜しくも世を去ってしまいましたが、リヒャルト・シュトラウスやマーラー、ショスタコーヴィチなどを得意とし、多くの秀逸な録音を遺してくれました。
 つづいては 『コルトー=ティボー=カザルス・トリオ ――二十世紀の音楽遺産』。ヤンソンスが21世紀の音楽シーンをリードした指揮者なら、こちらは20世紀前半の音楽シーンに燦然と輝いた3人のスターが手を取り合ってピアノ三重奏というアンサンブルの極致を生み出した貴重な記録。
 19世紀の謎多きピアニスト・作曲家アルカンの伝記も見逃せません。 『評伝 シャルル=ヴァランタン・アルカン ピアノの錬金術師』は、ショパンやリストと同時代のパリに生きた異才の生涯にスポットを当てます。演奏不可能な超絶技巧の作品に耳目が集まることの多い作曲家ですが、その実態やいかに。
 上記3冊はどれも、写真や図版、ディスコグラフィーや作品リストなど、資料面も充実しています。
 また、昨年より刊行が始まった楽譜の新版プロジェクト、バッハのピアノ作品集全6巻が満を持して登場です。昨年10月のベートーヴェンに引き続き、遠山 裕氏による圧巻の解説により、小社の新たな定番楽譜としてラインナップされました。

  「web春秋 はるとあき」での連載を書籍化した 『鳥の歌、テクストの森』 『とりどりの肖像』のほか、成仏論研究の集大成 『仏のなりかた』など、今月も充実の新刊でお送りします。(わ)
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■目次■
▼webマガジン「web春秋 はるとあき」
▼「じんぶん堂」好評連載中!
▼新刊案内(7月刊行)
▼近刊案内(8月刊行予定)
▼『新版 バッハ ピアノ作品集』
▼ネット決済はじめました!
▼編集後記
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webマガジン「web春秋 はるとあき」

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●新連載●
〇「驚愕の雅楽」 カニササレアヤコ
「みやび」だけでは終わらせない奥深い雅楽の世界を、雅楽芸人がご紹介します。
【第1回】おそろし、雅楽

○好評連載○
〇「アルス・ピヤニカ――鍵盤ハーモニカの楽堂」 南川朱生(ピアノニマス)
SNSやメディアで注目のプロ鍵盤ハーモニカ奏者による、長年蓄積した研究の集大成。


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★「じんぶん堂」好評連載中!★
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出版社と朝日新聞社による、“人文書の魅力発信していくプロジェクト”
「じんぶん堂(powered by 好書好日)では、著者みずから語る書籍紹介や読み物など、魅力的な内容をお届けしています。ぜひご覧ください。 ※毎週木曜日更新(月3回)
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新刊案内(7月刊行)
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A5判/384頁/3,850円
三つの派の成仏論を比較した意欲作。

A5判/576頁/7,700円
世界経済を成立させた人びとの活躍を描く。

高山 花子 著 (※「高」は、正式にははしごだかの字)
四六判/224頁/2,200円
鳥の歌を追求する作家のテクストに迫る。

四六判/272頁/2,420円
懐かしき人びとの面影をかたどる 15 篇。

ブリジット・フランソワ=サペ フランソワ・リュグノー 著   上田 泰史 訳・解説
四六判/368頁/3,740円
超人的な技巧と類まれなる奇想の作曲家。

フランソワ・アンセルミニ レミ・ジャコブ 著   桑原 威夫
四六判/264頁/2,750円
20世紀の一流ピアノ三重奏団が歩んだ軌跡。

四六判/424頁/3,630円
精緻な音楽づくりと温かい人柄にふれる。
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近刊案内(8月刊行予定)
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本間 大智
四六判/224頁/1,760円
不安を感じたときや人間関係に悩んだときなど五つのテーマにあわせて、心を軽やかに解放してくれる名言を、仏教のお経・僧侶・信者の言葉から選んでわかりやすく解説。
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『摩多羅神 ――我らいかなる縁ありて
山本 ひろ子
A5判/400頁/口絵4/3,850円
ドラスティックな日本中世、大寺の奥深く〈闇〉に鎮座する異神に光を当て、その霊性のありかを探り、あわせて日本的精神性を展望する画期的論考。
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『考えるあなたのための倫理入門』
メアリー・ウォーノック 著   高屋 景一 訳(※「高」は、正式にははしごだかの字)
A5判/176頁/2,200円
安楽死や中絶など身近なテーマから、「善い」とは何かを考える。イギリスが誇る女性哲学者による、定評ある倫理学の入門書。
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『発達障害からニューロダイバーシティへ ――ポリヴェーガル理論で解き明かす子どもの心と行動
モナ・デラフーク 著   花丘 ちぐさ
A5判/392頁/2,640円
困っている子を救うニューロセプションの視点。発達のちがいや自閉症スペクトラム、トラウマをもつ子どもたちの“問題行動”を神経多様性から捉え直し社会情動的発達を促す。
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『伊英独仏 音楽用語辞典〈新装版〉
篠岡 恒悦
四六判/648頁/4,950円
クラシック音楽に欠かせない音楽用語、約18,000語を網羅。1語につき簡潔な訳語を示す実用的かつハンディな多言語辞典。重要語の五カ国語対照表、詳細な逆引き日本語索引付き。
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『音楽のある部屋 ――ディレッタントの流儀
伊藤 光昌
四六判/328頁/口絵1/2,420円
最先端の企業家にして熱烈な音楽愛好者が長年のドイツ滞在で聴いたコンサート&オペラの数々。1960年代から80年代の欧州の輝かしいクラシック・シーンを縦横無尽に語る。
 
(※刊行時期は変更となる場合がございます。)
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『新版 バッハ ピアノ作品集』 ★
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みなさまに愛されて70年。歴史ある「井口版」がバージョンアップしました!

作曲家=ピアニストである遠山 裕氏による、楽譜テクストの全面的見直しと、詳細で丁寧な楽曲解説を加え、「井口版」が装い新たに生まれ変わりました。

[新版]バッハ ピアノ作品集〈全6巻〉
井口 基成 編集・校訂・運指
遠山 裕 楽曲解説・註解・演奏ノート

菊倍判/切付表紙(函なし)/楽譜126頁+解説50頁/2,530円
(全24曲) BWV 846 - 869
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菊倍判/切付表紙(函なし)/楽譜164頁+解説50頁/2,860円
(全24曲) BWV 870 - 893
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●[3]フランス組曲 イギリス組曲
菊倍判/切付表紙(函なし)/楽譜172頁+解説52頁/2,860円
フランス組曲(全6曲) BWV 812 - 817、イギリス組曲(全6曲) BWV 806 - 811
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菊倍判/切付表紙(函なし)/楽譜112頁+解説41頁/1,870円
二声のインヴェンション(全15曲) BWV 772 - 786 他
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●[5]パルティータ 他
菊倍判/切付表紙(函なし)/楽譜176頁+解説53頁/3,190円
六つのパルティータ BWV 825 - 830 他
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菊倍判/切付表紙(函なし)/楽譜90頁+解説22頁/2,310円
トッカータ(全7曲) BWV 910 - 916
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◎ ネット決済はじめました!◎
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このたび、小社ウェブサイトでのご注文にクレジットカード決済(ならびにアプリ決済)をご利用いただけるようになりました! サイト上にてご注文から決済まで完結する便利なサービスです。くわしくは 「インターネットからのご注文ガイド」をご確認ください。

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□編集後記□
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 厳しい暑さが続いております。山形県の郷土料理である「だし」など、暑い夏を乗り切るための「食の知恵」は国内にさまざまありますが、近年では世界各国のエスニック料理も人気を集めています。原料価格や輸入コストが高騰しているものの、世界中の珍しい調味料や食材は比較的容易に手に入るようになりました。

 さて、みなさまは「金と胡椒が同じ価値だった」という話をご存じでしょうか。これは諸説あるようですが、中世ヨーロッパにおいて非常に珍重され、高値で取引されていたこと、大航海時代の目的のひとつが胡椒など香辛料の獲得であったことは記録に残っています。そんな中世における「世界」経済の基礎を作り上げた人びとの活躍を描いた名著 『金と香辛料』をこのたび、装いも新たに刊行することとなりました。大航海時代に先立って、危険を冒し異国の富を求めた先駆的実業家たちを生き生きと描き出した一冊です。

 ところで、この題名を聞いて異なる物語を思い浮かべる方もいらっしゃるかもしれません。支倉凍砂氏によるライトノベル『狼と香辛料』です。メディアミックス展開により大人気を博したこの小説のタイトルは、前述の小社刊『金と香辛料』に着想を得たことが、著者によって語られています。こちらの作品は原作シリーズ15周年を期に、新作アニメーションの制作が発表され、いま再び注目を集めています。

 香辛料の役割というものは、味付けだけではありません。胡椒は抗菌・防腐効果があり、食品保存のためかつて非常に重宝されたそうです。さまざまな「食の知恵」を使って、この夏を乗り切りましょう。そして暑い日は外出をなるべく控え、適切にエアコンを使用し、(家でできれば本を読んで、)くれぐれも体に気をつけてみなさまお過ごしください。(A)


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【Vol.040】 2022年 7月 1日 配信

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