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春秋社 メールマガジン【Vol.028】
   2021年 4月 30日配信
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 巻頭言
 新型コロナ禍は変異株の登場で新局面を迎え、ふたたびの感染爆発によって、東京など4都府県に緊急事態宣言が再発令であります。変異株は感染力も強いが、重症化もしやすいとか。このメルマガをお読みくださっている方々も、くれぐれも御身お大切に、と申しあげたいわけですが、そこでオススメしたいのが西平直先生の 『養生の思想』です。
 「養生」とは何でしょう? 病気を治す「治療」でもなければ、健康のために環境を整える「衛生」でもないですよね。みずから健康になるよう心がけることではありましょうが、修行とか、訓練とか、リハビリというのでもない、ちょっと不思議な言葉です。
 西平先生は 『稽古の思想』では「稽古」、 『修養の思想』では「修養」と、確かに知ってはいるけれど、なかなか核心の掴みにくい概念を精査することで、日本思想や東洋思想の奥深さを見事に示してくれましたが、今回の「養生」でもその手際はいよいよ冴えわたり、「養生」という言葉から、自然と呼応した人間のほんとうの健康を問うていきます。
 もちろんコロナは飛沫で感染するのですから、三密を避け、会食や飲み会をせず、マスクをし、外出後は手を洗うといった基本的な対策が一番重要なのはいうまでもありません。しかし、この本をお読みいただいて、みずからの内面の気を養い、自然治癒力を高めていく「養生」の智慧に思いを馳せることで、このコロナ時代でも心豊かな健康生活を送っていただければ、と切に願っているのであります。(K2)
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■目次■
▼「じんぶん堂」好評連載中!
▼新刊案内(4月刊行)
▼近刊案内(5月刊行予定)
▼webマガジン「web春秋 はるとあき」
▼編集後

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◎「じんぶん堂」好評連載中!◎
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出版社と朝日新聞社による、“人文書の魅力発信していくプロジェクト”
「じんぶん堂(powered by 好書好日)では、小社刊行書籍のご紹介など、魅力的な内容を毎週お届けしています。 ※毎週木曜日更新
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新刊案内(4月刊行)
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四六判/280頁/2420円
『碧巌録』百則を当代随一の禅僧が提唱。

四六判/224頁/2200円
「養生」に秘められた「生きる英知」とは。

●シュタイナーの人生論
高橋 巖
四六判/248頁/2200円
現代社会の根本問題。シュタイナーに学ぶこと。


*今月の営業部イチオシ本*


●沈黙 ――雑音まみれの世界のなかの静寂のちから

ティク・ナット・ハン
池田 久代

四六判/216頁/2200円


内外の雑音を排除し心の平安に到達する――
外部の騒音と、心中の想念や感情という雑音に苦悩のつきない現代人。内外の雑音を排除して、真の沈黙を手に入れれば、心の平安に到達できる。その方法をわかりやすく語る。

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近刊案内(5月刊行予定)
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『俳句で学ぶ唯識 超入門 ――わが心の構造』
多川 俊映
四六判/240頁/2200円
難解な心の哲学、仏教唯識の世界を、俳句や短歌など日本の詩歌を通して、身近に分かりやすく明快に、生きてあることの共感をも込めて解き明かす、目からウロコの超入門。
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『弘法大師の贈り物』
橋本 真人
四六判/208頁/1760円
高野山の奥深く、いまもおわします弘法大師。そのお大師さまとともに、生きてあることの貴さに目覚め、〈救い〉と〈祈り〉に生きることの清々しさを爽やかに語る法話集。
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『[シリーズ近代日本宗教史]第四巻 戦争の時代 ――昭和初期~敗戦』
島薗 進 / 末木 文美士 大谷 栄一 西村 明
A5判/280頁/3630円
各宗教の戦争への協力と抵抗の実態とは。植民地への布教、国民生活へのナショナリズムの影響、統制下での思想界の動向など帝国主義の時代の宗教現象を明らかにする。
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『野球の90%はメンタル』
ボブ・テュークスベリー 著   神保 哲生
四六判/408頁/1980円
絶妙の制球と心理的駆け引きで活躍したメジャーリーグの元投手が、現役時代の経験とメンタルコーチとしての指導実績を交えて、野球におけるメンタルの重要性と実践での応用を指南。ダルビッシュ有投手の愛読書、待望の邦訳!
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『ミュージック・サナトロジー ――やわらかなスピリチュアルケア』
里村 生英
A5判/288頁/3300円
死に逝く人のケアはどうあるべきか。音楽経験を通したスピリチュアルケアのありようを実践的・総合的に考察した本格的研究。エンドオブライフ・ケアとしての歴史的・今日的意味を探る。

( ※刊行時期は変更となる場合がございます。)
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☆  webマガジン「web春秋 はるとあき」

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☆好評連載☆
「専門は、えきがくです」と答えて、はい、そうですか、と言ってくれる人は、2019年までは、ほとんどいなかった。


「スヴニール  ――とりどりの肖像
佐々木 健一
これまでに出会い、折にふれ思い出される人びととの追想を綴る。


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□編集後記□
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 本メールマガジンでも幾度となく取り上げております、小社刊 『ノマド ――漂流する高齢労働者たち』を原作とした映画『ノマドランド』が、第93回アカデミー賞において最多となる3部門(作品賞、監督賞、主演女優賞)の受賞を果たしました。
 アジア系の女性が監督賞を受賞するのは史上初めてのこと(女性による受賞も史上二人目の快挙)であり、主演のフランシス・マクドーマンドは三たびオスカー像を手にしました。『スリー・ビルボード』で主演女優賞に輝いた際、受賞スピーチで彼女が残した「inclusion rider」という言葉、映画製作の現場における多様性確保の必要性を訴えたその意志が、見事に結実した瞬間でした。
 実はこの映画、原作を読んで衝撃を受けたマクドーマンドが自ら映画化の権利を獲得し、クロエ・ジャオ監督の『ザ・ライダー』を観てその手法に強く惹かれ、『ノマドランド』のオファーをしたという経緯があります。名優の心を揺さぶった原作は、現代アメリカの過酷な現実に迫るルポルタージュです。「web春秋 はるとあき」では訳者あとがきを加筆修正した 「リタイアなき時代を生きる“流浪の民”」を公開しておりますので、ぜひご一読ください。
 一都三県に発出された緊急事態宣言の影響もあり、営業を自粛している映画館や書店も多いなかではありますが、いま世界が最も注目している映画と合わせて、そのベースとなった“現実のノマドワーカー”たちの物語もお読みいただけましたら幸甚に存じます。
 一日も早い新型コロナウイルス感染症の収束と、みなさまのご健康とご多幸を心よりお祈り申し上げます。(A)
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□春秋社 メールマガジン□ 毎月1回(月末ごろ)配信

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