SASネット理事の橋爪あき(日本民育普及協会代表)が、駒ヶ嶺医院(東京都新宿区)睡眠呼吸センター長の高崎雄司先生に、睡眠時無呼吸症候群についてインタビューしました。
FM西東京で8回にわたり放送されたもので、分かりやすく話して下さっています。本メルマガでは、回数を分けてご紹介してまいりましたが、今回が最終回となります。
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音声版はこちら:FM西東京「教えて、なぜ?なに?睡眠先生!(第104回)」
今回のテーマ「睡眠時無呼吸症候群の今後の対策や展望について」
●睡眠時間のあり方に関しては、仕事や社会の関わりが非常に大きい。
●例えば、運送業界や自動車運転が業務である業界はどんな仕組みが出来るようになったのか?
●睡眠時無呼吸症候群で一般的に気をつけるべき生活習慣や他の医療との話し、など。
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橋爪/前回は、睡眠時無呼吸症候群では、CPAPとかそういうものではなくて、代替で何かないのかな~という治療法について、お話し頂きましたが、今回は、もうちょっと、睡眠時無呼吸と仕事とか社会とか、そういうこととの関わりについて、お話しを伺いたいと思います。
先生、やっぱり、睡眠時無呼吸になりますと、日中すごく眠いわけで、そうなると仕事に差し障りが出たり、仕事の種類によっては、重大な結果っていうことはありますよね。
高崎/はい。特に、お仕事で運転をなさる方、いろいろな自動車などの運転をしなければいけない方に対して、運輸業界というのは、どのように取り組んで行くかという事について、恐らく長い間、いろいろ検討されて来たのではないかとは思うんですね。
それで実際は、今は運送業でも大手のほうでは、年1回は、そういうチェックを皆さんにさせるという仕組みができて来たことも事実ですし、それで、チェックされた人たちは、治療までもっていかざるを得ないという風な仕組みが作られたかもしれません。しっかり働いていれば、少なくとも、何にもしないよりは良いような状態になっているとは思います。
橋爪/事故が起こって、人命が失われるというのは…もう…。
高崎/しかし、会社がチェックをしっかり定期的にやっていても、どうしても、こんなのを受けたくないと思っている人も、中にはいるんですよね。
そういう人はどういう事をするかというと、例えば、奥さんに、器具を付けさせて、自分自身はやらないと。
橋爪/ 一応、データは出ますね。
高崎/データは出ちゃうから。それで、例えばその引っかかった患者さんが我々の施設に来たときに、運輸業界からの紹介という場合は、やっぱり、ちゃんと、そのPSG(注:睡眠時無呼吸症候群かどうかを判断する検査、終夜睡眠ポリソムノグラフィー検査)という一晩泊りの検査をやって頂いて、それで正確な診断をしてあげる、という風にしないと。そうしないと、この患者さんは、絶対、大丈夫ですよという太鼓判を押せない。
橋爪/ 家だったら見えないから、お医者さんを騙すことができますけどね。それだけ深刻な問題で。
今は運輸業界の方々の話しでしたけれども、例えば、エンジニアだったり普通のお仕事をしている方でも、睡眠時無呼吸になると、日中の仕事が良くできなくなってしまいますね。
高崎/そうですね。仕事効率が相当落ちると思いますね。
橋爪/ そうすると、小さい会社なんかは、従業員の方をお医者さんに出して、医療費とか、いろいろたいへんでしょうね。やはり本人が、自分で気を付けなければいけないというのが、一番大事な事なんですけれども。一般的に言って、どういう事に気を付けたら良いのか。また、これから先、睡眠時無呼吸対策として、何か、先生、思うことがありますか?
高崎/治療方法としても、一般的にやられている治療方法のお話しを主にさせて頂きましたけれども、お酒を飲むと、やはり気道が狭くなるということが分かっていますので、例えば、酒量を減らすとか、理想的には止められれば、もうこれにこしたことはない。それから、例へば、うつ病になっちゃった患者さんなんかで、たくさん薬をもらうと、呼吸に対して悪影響を及ぼすような薬ももちろん入っていますので、そういうことも一応考慮に入れながら対策を打つ事をしていかなければならないと思いますね。
橋爪/ そうですね。生活の中で、やっぱりこれは睡眠時無呼吸に悪いということは、全て止めて改善していくことが大事ですね。
6回にわたり、大変ためになるお話しをお伺いでき、ほんとうにありがとうございました(終)。 |