SASネット理事の橋爪あき(日本民育普及協会代表)が、駒ヶ嶺医院(東京都新宿区)睡眠呼吸センター長の高崎雄司先生に、睡眠時無呼吸症候群についてインタビューしました。
FM西東京で8回にわたり放送されたもので、分かりやすく話して下さっていますが、長いため、本メルマガでは、回数を分けてご紹介します。
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音声版はこちら:FM西東京「教えて、なぜ?なに?睡眠先生!(第103回)」
今回のテーマ「睡眠時無呼吸症候群の代替療法」
●どちらを向いて眠るかで改善する場合がある。
●「横向きベルト」という器具や、鼻に貼るテープはどのような仕組みで改善するのか?
●最もポピュラーな治療方法はCPAPという器具を使うもの。
使ったことのある人は、予想以上に多い。
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橋爪/前回は、いびきというのは肥満だけではなくて、他にも花粉症であったり鼻炎であったり、そういうところに原因があるということと、もう、おじさんだけじゃなくて、女性でも、子供でも、赤ちゃんでも原因さえあれば、睡眠時無呼吸は起こるんだというお話をお聞きしました。
睡眠時無呼吸の治療法については、以前CPAPについてのお話しを頂きましたが、他に代替療法というのも最近の治療法としてあるということなので、それについて、先生にお伺いしたいと思います。
高崎/睡眠時無呼吸症候群の方でも相当重症な方以外でみますと、仰向けに寝る場合とそれから横になって寝る場合の両方を比較すると、基本的には、仰向けでは無呼吸がたくさん出るものの、横向きになると、無呼吸が明らかに減るという場合が多々あるんですね。ですから、仰向けになった状態を横向きにするような簡便な器械があれば、代替療法というか、例えば、どこか旅行に行く時、CPAPのような器械を持って行きたくないという場合は、こういう器械を使うことは良いのではないかと思いますね。
橋爪/横向き寝にするということですね。それは、どんなものなんでしょうか。
高崎/これは、「横向きベルト」という名前で、今、 SASネットが開発し、バイオ薬品が販売しているんですね。仰向けになると振動を起こして、それで、だんだん振動を大きくさせることによって、横向きにさせる。横向きになると、振動が止まるということになります。調べてみると、確かに、横向きになる確率が高くなって、無呼吸の重症度が改善するという結果も出ていますので。
橋爪/そうですか。ベルトから振動が伝わるということですね。そこで「あ、そうだ」という感じで、横向きになる。
高崎/体の眠る位置を変えて、横向きになると止まるという、こういうのも代替療法になります。また、例えば両鼻に栓をするものとか、ですね。
橋爪/鼻に。
高崎/言ってみれば、弁を。
橋爪/鼻に弁を入れる。
高崎/それを使う事によって、吸気はす~と入っていくんですけれども、吐く時に少し抵抗があって、それが最終的に、無呼吸を改善してくれるという風なものもありますね。
橋爪/あと、テープを貼るというのも聞きますよね。
高崎/テープを鼻梁近くに貼るんですけれども。すると、それを貼ることによって鼻の奥の方の面積が広がるのではというものがあります。程度がそれほど重症でなければ、そういう器具を用いるのも、ひとつの手だと思います。
橋爪/そうですね、ちょっと軽い無呼吸ぐらいでしたら、替わりに、そういうことをやって。ところで、CPAPをず~っと使ってて、やっぱり脱落しちゃう人っていますか?
高崎/はい、いますね。だいたい100人いれば20人は脱落しますので、その人たちに対する治療方法としては、やっぱり、今言った様な代替の治療方法もひとつの手かもしれません。
橋爪/そうかもしれませんね。ああいうマスクを着けて寝るということは、違和感ありますしね。でも、ほんとうに基本的なことなんですけど、CPAPは睡眠時無呼吸がかなり進んでしまいますと、ずっとやるって事ですよね。
高崎/そういう事ですね。ず~っとやる。「先生これ死ぬまでやるんですか?」という風に聞かれた時は、そうですとお話ししますので。
橋爪/そうですか。とにかく、睡眠時無呼吸にならないと言うのが、すごく大事なことなんですね。
高崎/そういう事です。
橋爪/たいへんな事ですね。人生の質というのを考えなければいけないので、時々は代替療法でストレス発散というか、必要ですね。
高崎/ええ、そうですね。
橋爪/はい、ありがとうございました。
では次回は、睡眠時無呼吸症候群の今後の対策や展望について、お話しをお伺いします。先生、よろしくお願い致します。
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