SASネット理事の橋爪あき(日本民育普及協会代表)が、駒ヶ嶺医院(東京都新宿区)睡眠呼吸センター長の高崎雄司先生に、睡眠時無呼吸症候群についてインタビューしました。
FM西東京で8回にわたり放送されたもので、分かりやすく話して下さっていますが、長いため、本メルマガでは、回数を分けてご紹介してまいります。
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音声版はこちら:FM西東京「教えて、なぜ?なに?睡眠先生!(第102回)」
今回のテーマ「花粉症の場合。女性や子供の場合。」
●無呼吸症候群の肥満以外の原因は?
●鼻の問題、例えば・・・
●中年男性がなるイメージがあるが、なりやすい年齢は?性別は?
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橋爪/前回は、無呼吸症候群の原因になる肥満について、どのようにしていったら良いのかというお話しを伺いました。しかし、肥満だけではなくて、他にも睡眠時無呼吸に繋がる症状というか、そういうものがあるということですね。最近、花粉症とか鼻炎とか、空気を吸うことが困難だということが出て来ていると思いますので、そのことを、先生、お聞かせ願えませんか。
高崎/睡眠時無呼吸の患者さんの多くは、鼻に問題がある方が少なからずおられます。では、どういう風な問題かというと、花粉症であったり、鼻中隔湾曲といって鼻の空気の通る部分が曲がって狭くなっているという風な方が結構いらっしゃいますね。
橋爪/それは、元々、湾曲している?
高崎/元々というか、ある程度、年齢が経って、余計そういう風になる場合があるんですが、手術をしないと、その場合は良くなりません。花粉症の場合は、基本的には飲み薬、それから後は点鼻薬等で、ある程度コントロールできるので、無呼吸そのものも、ある程度改善する場合があります。そういう治療は、積極的にやっています。
橋爪/元のその花粉症なり、鼻炎なりが治らなければ、無呼吸のことを言っても仕方ない訳ですよね。それは耳鼻咽喉科の方で、きちんと治すということですね。
高崎/耳鼻科でなくても睡眠センターで相談すれば、ある程度、対処してくれる場合が多々あります。それでもうまくいかない場合は、専門の耳鼻科の先生に診療をお願いするということも考えないといけないかもしれません。
橋爪/先ほどから何となく、睡眠時無呼吸とかいびきとかは、中年男性というイメージがすごく大きいんですけど、でも、花粉症だったり、鼻炎だったり、いろいろな原因があるので、やはり、女性とか子供とか、また赤ちゃんとか、みんななる訳ですね。
高崎/赤ん坊も、もちろん無呼吸になっている場合があります。そういう場合に、じゃあどこに受診したらと言うと、結構限られているのではと思います。小児の場合、特に生後間もない赤ちゃんで呼吸がおかしいということになった時に、診てくれる施設というのは結構少ないです。
橋爪/とりあえず、先ず小児科医に行く。
高崎/そうです。小児科に行って相談すれば、ある程度振り分けてくれます。しかし、小児の場合は起こらないんじゃないかと思っている方が医療機関でも多いのではないかと思われます。学童なんかでも、扁桃肥大とか、アデノイドというようなことがあると、やっぱりそれが原因で無呼吸が起こりますので、どの年代でも起こります。それから、女性も少ないことは少ないのですが、アメリカの報告では、大体、男性2に対して、女性は1くらいの割合です。ですから、半分くらいは女性であってもおかしくはありません。特に女性の場合は閉経以降に無呼吸が多く起こるということが知られていますので、いびきとか無呼吸とかあって、そういう状況であれば、やはり相談するとしっかり正確な診断がつくと思います。
橋爪/ そうですね。最近よく、中高年のおばさんたちは旅行が好きと言われます。でもその時に、いびきをかくから一人部屋にしてくれと頼まれるそうです。このことは、旅行会社では定番になっているそうです。皆さん、気にされています。
高崎/そのような悩みで来られる方というのは、今までもいらっしゃいました。
橋爪/女性の場合は外に出る機会が多いから、なかなか、いつもCPAPを持ってという訳にはいかないということもあります。
高崎/そうです。
橋爪/でも結局、閉経後というのはホルモンの関係とか?
高崎/そういうことですね。
橋爪/ほんとうに昔から、いびきのイメージというのは、中年以後の“でっぷりしたおじさん”というイメージだったんですが、原因さえあればなると考えて良いということですね。たいへん良いお話しをお伺い致しました。
では、次回は、睡眠時無呼吸症候群の代替療法について、お聞きしたいと思います。
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