SASネット理事の橋爪あき(日本民育普及協会代表)が、駒ヶ嶺医院(東京都新宿区)睡眠呼吸センター長の高崎雄司先生に、睡眠時無呼吸症候群についてインタビューしました。
FM西東京で8回にわたり放送されたもので、分かりやすく話して下さっていますが、長いため、本メルマガでは、回数を分けてご紹介してまいります。
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音声版はこちら:FM西東京「教えて、なぜ?なに?睡眠先生!(第101回)」
今回のテーマ「睡眠時無呼吸症候群改善方法」
●肥満が無呼吸症候群に及ぼす影響とは?
●ダイエットをして成功する人の確率は?
●どうすれば改善は出来るのか?
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橋爪/睡眠時無呼吸症候群の治療の方法と致しまして、CPAPであるとか、マウスピースであるとか、例としては少ないですが、外科手術も存在するということをお聞きしました。今回はその続きで睡眠時無呼吸症候群の改善方法について、詳しくお聞きしたいと思います。
先生、外科手術というのはそんなに頻繁なものではないということなのですね。
高崎/はい、基本的には、外科手術をするというのは、狭くなった気道を広げること。狭くなっている部分がどこかを正確につかんで、気道がつぶれるところを広げれば良いということです。が、なかなか、これを判断する方法が難しいのです。「のどちんこ」というところがありますけれど、それを切ると、かなり良くなるのではという報告が昔、一時的にはありました。しかし長い眼でみると、そこだけでは不十分だということが分かりました。それは何を意味しているかと言うと、気道のつぶれる部分は、そこだけではなくて、もっと奥の方までつぶれている可能性がある。そういう場合は、手術の部位をもうちょっと変えないといけないということで、なかなか、手術をしたら一概に良くなるというようには言い切れない現状です。それが原因で、今は、それほど行なわれていないと言って良いのではないでしょうか。
橋爪/そうですか、原因が他にある訳ですから、そっちから正していかないといけないわけですね。
肥ると気道が狭まってしまって、それが睡眠時無呼吸の原因になりますが、他にも原因となるものはありますか。
高崎/恐らく、患者さんのご両親と患者さんの顔を比べれば、それは似ているに違いないので、例えば、気道の構造も親に似るんですね。
橋爪/あごっていう事ですか?
高崎/そうですね。あごですね。下あごが小さくなっている人というのは、奥の方の気道が狭くなっている場合が多いのです。そうすると、ご両親からもらった狭い気道のために、ある程度年をとってくると無呼吸を起こしてくることがしばしばあります。それから小さなお子さんでは、扁桃肥大とかアデノイドの過形成とかいう、気道に異常な構造があった場合は、それを取らない限りは、やっぱり、無呼吸はなくなりません。学童では少なからず、おられると思います。
橋爪/そうですね。子供だからって、いびきと関係ないということはないですよね。そういう遺伝的にあごのことがあったりするのは仕方ないにしても、先ず生活改善として、肥満にならないようにするのが、一番の予防法と考えて良いのでしょうか?
高崎/ええ、肥っていらっしゃれば、恐らくは、体重を減らすことによって、気道そのものが広くなりますので、減量に取り組まれるのは非常に良いことかなと思いますね。ですけれども、基本的に肥っていらっしゃる方で、減量するというのは、難しい場合が多々あります。一時的にかなり減量できたけれども、また、リバウンドしてしまいます。この病院でも、この10年間で、本当にやせて治療をやらなくて良い状態になった方は、1~2%ぐらいですね。
橋爪/そんなに少ないのですか。
高崎/そうです。それを考えると、減量というのは理にかなった治療だとは思いますが、なかなかうまくいかないということが、あると思います。
橋爪/なかなか、食べ物だけの問題じゃないですし、運動をしたり、いろいろ気を付けていかないとならないのですね。先生の病院にいらっしゃっている患者さんは、男性が多いですか?
高崎/そうですね、男性が多いですね。
橋爪/なかなか、中年の男性だと、仕事も忙しいし、気を使っている暇もない、という感じになるでしょうね。でもやはり、睡眠時無呼吸が重大な病気に繋がっていくということだったら、真剣に考えてほしいですね。今は、ダイエットの方法もいろいろありますので。
では次回は、花粉症の場合や女性や子供の場合について、お聞きしたいと思います。 |